拡大の原因は「偽陰性」…病院内で集団感染の経緯[2020/06/08 12:10]

 34人の院内感染が起きた神奈川県にある小田原市立病院が収束後、初めて取材に応じ、感染拡大の主な原因は感染しているのにPCR検査で陰性が出る「偽陰性」だったことを明らかにしました。

 小田原市立病院・松田基副院長:「PCRは頼らざるを得ないところではあるが、過信してはやっぱりいけない」
 病院によりますと、感染は主に大部屋の患者と看護師の間で広がりました。原因として浮上したのが、個室から大部屋に移動した1人の患者でした。当時は、PCR検査で陰性となった患者は、個室から大部屋に移動させていました。この患者は大部屋で数日過ごしてから退院しましたが、再び発熱してその後のPCR検査では陽性となりました。病院は最初のPCR検査が偽陰性だったとみています。その後も別の病棟で偽陰性とみられる患者から感染が拡がり、1カ月で合わせて34人の感染が確認されました。現在、この病院ではCT画像を撮るなど、PCR検査だけに頼らない対応を取っています。
 小田原市立病院・松田基副院長:「陰性だからといって陰性とは限らないという事をより明確に考えて、ほかの所見もさらに(他の)検査を組み合わせて考慮しなければならない」

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