3回目の接種「6カ月経過で可能」検討 なぜ前倒し?[2021/11/15 19:57]

 新型コロナワクチンの3回目の接種についてです。15日午後、厚生労働省では専門家を交えて2回目の接種からどのくらいの間隔を空けて3回目を打つかなどについて話し合う会議が行われました。3回目について、これまでの方針では2回目から8カ月以上経った人を対象にしていましたが、今回、厚労省は自治体の判断で6カ月以上の人も対象にできる方向で検討しているということです。

 (社会部・岩本京子記者報告)
 (Q.自治体の判断ではありますが、厚労省が2カ月早めてもいいとした理由はどこにあるんでしょうか?)

 2回目の接種から6カ月以降で感染を予防する効果が下がってくるというデータが示されたことが背景にあります。

 海外の研究ではファイザーのワクチンでは、2回目の接種から6カ月以降で感染を予防する効果が50%前後まで下がるというデータが示されました。

 ファイザーのワクチンは先週、3回目の接種に使用できることが承認されたんですが、その内容は2回目の接種から6カ月以上経った18歳以上という内容で承認されています。

 こうした理由から、15日に開かれた分科会では2回目の接種から6カ月以上経った人についても3回目の接種を認めることが了承されました。

 ただ、決して8カ月以上経っての接種が推奨されないのではなく、原則はあくまでも2回目の接種を終えてから8カ月以上経った人が対象となっているんです。

 一方で、感染が拡大している地域では2回目の接種からまもなく6カ月以上経つような高齢者が多い地域もありますので、そうした地域については都道府県と調整のうえで6カ月以上に前倒ししての接種を認めるといった内容です。

 (Q.厚労省の会議では2回目までと異なるワクチンを接種する交互接種、今までは交差接種とも言っていましたが、これについても議論が交わされたということですが、交互接種についてはどういう方向性になってますか?)

 3回目の接種ですが、1、2回目に接種したワクチンの種類にかかわらず、3回目ではメッセンジャーRNAワクチンを使用することが了承されました。

 つまりメッセンジャーRNAワクチンというのは国内ではファイザーとモデルナが承認されているんですが、3回目での使用として承認を得ているのは現在はファイザー社だけになりますので、当面はファイザーだけでの接種が進められるとみられます。

 ただ、モデルナについてもすでに承認申請が出されているので、これが承認されれば1、2回目でファイザーを打った人でも3回目にモデルナを打つということも考えられます。

 一方で、1、2回目にアストラゼネカのワクチンを接種した人。

 アストラゼネカのワクチンはウイルスベクターワクチンですが、こうした人については3回目の接種はアストラゼネカではなく、メッセンジャーRNAワクチンを現時点では使用することになるので、今後、新たな治験が出てくれば認められていくことになります。

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