経団連 来年の春闘指針 ベアに“慎重姿勢”[2016/12/01 23:41]

 経団連は来年の春闘での賃上げの指針について、今年に掲げた「前の年を上回る」という表現は盛り込まず、ベースアップも慎重姿勢を示すことを検討しています。

 経団連は、今年の春闘で「収益の拡大した企業は前の年を上回る年収ベースの賃上げを」と経営側に呼び掛けました。来年の指針はほぼ同じ内容となる見通しですが、「経営環境はより厳しい」という判断から「前の年を上回る」という表現を削る方向です。また、賃上げの方法として「多様な選択肢がある」として配偶者手当を見直し、子育て世代の支援を充実させることや介護手当の創設などを挙げ、ベースアップにはこだわらない姿勢も改めて示す方針です。過去3年、政府が賃上げの旗振り役となる「官制春闘」といわれてきましたが、安倍総理大臣は来年についても、ベアを含めて「少なくとも前年並みの賃上げ」を経団連に要請しました。しかし、経団連の役員からは「今年並みの水準は維持できない」という声も上がっていて、経団連は5日に開かれる会議で安倍総理からの要請にどう応じるかなども議論し、来年の指針を固めることにしています。

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