“革命の英雄”追悼に市民総動員 世代間の差も露わ[2016/11/30 11:47]

 キューバの首都ハバナでは25日に死去したカストロ前議長の追悼式典が始まり、100万人規模の市民が集まっています。

 (西尾哲也記者報告)
 キューバ政府は学校や公的機関をすべて休みにするなど、市民を総動員しています。式典は開始から3時間が経ちますが、前議長の功績をたたえる各国要人の弔辞が続いています。日本からは総理特使として自民党の古屋選対委員長が出席したほか、アメリカは非公式的な立場で大統領副補佐官を出席させました。また、ロシアの下院議長や中国の国家副主席、北朝鮮からは金正恩委員長の側近らが出席したほか、ボリビアやベネズエラなど反米路線で協調してきた首脳が勢ぞろいしています。その一方で、キューバ革命を直接、知らない若者のなかにはスマートフォンを片手に退屈そうに座り込む姿も目立ち、経済開放が進むなかで世代間の温度差を強く感じました。式典はこの後、弟のラウル・カストロ議長が国民に結束を呼び掛け、社会主義体制の維持を国際社会に強くアピールするとみられていますが、反米左派のシンボルだった前議長の死で中南米の政治情勢は大きな転換点を迎えたといえます。

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