もたつく審議…「安保法制」会期内の衆院通過断念へ[2015/06/10 11:47]

 5日ぶりの審議再開です。集団的自衛権を巡って国会で憲法学者が全員、「違憲」としたことで野党側の攻勢が止まりません。これに対して、安倍政権は、中国の海洋進出など安保環境の変化を理由に「合憲」の見解をまとめ、失点の穴埋めに必死です。しかし、安保法制の審議はほとんど進んでいないため、今月24日の会期末までの衆議院通過という目標は断念せざるを得ません。

 (政治部・千々岩森生記者報告)
 安保法制は合憲なのか、違憲なのか。10日も国会では、この「そもそも論」で与野党が対決しています。
 民主党・辻元清美衆院議員:「河野洋平元衆院議長や村山富市元総理も『ここで立ち止まって、法案を取り下げるべきだ』と話している」
 中谷防衛大臣:「新しい3要件を加えて考えたもので、私はこの内容が憲法違反とは思わない」
 民主党・辻元清美衆院議員:「『憲法を法案に適応させる』と。これは立憲主義を自ら否定している。この発言を撤回した方が良いと思います」
 中谷防衛大臣:「私が申し上げたのは、そのような趣旨ではございませんで、憲法の解釈の範囲内で法律を作成したという意味で申し上げた」
 これに先立つ与党幹部の会合で、自民党の谷垣幹事長らは、2週間後の会期末までに衆議院で法案を採決するのは困難との見方で一致しました。「最重要法案」といいながら審議がなかなか進まないのは、次々と突っ込みどころを作りだす政府・与党側と、いつもながら日程の引き延ばし作戦に明け暮れる野党側の双方に原因がありそうです。

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