都議選苦戦中の自民に新たな火種 稲田氏発言波紋[2017/06/28 11:45]

 稲田防衛大臣の発言に波紋が広がっています。
 稲田防衛大臣:「自衛隊、防衛省とも連携のある○○候補、ぜひ2期目の当選、本当に大変ですから、お願いをしたいと。このように防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」
 27日、東京都議会議員選挙の候補の応援で飛び出した発言です。自衛隊法は「隊員は政治的行為をしてはならない」と規定しています。稲田大臣は夜のうちに発言を撤回しましたが、野党は厳しく批判しています。

 (政治部・吉野真太郎記者報告)
 まず野党側ですが、稲田大臣の質という攻撃材料を得た形で安倍政権への追及を強めています。
 民進党・蓮舫代表:「今回の発言は撤回して謝罪して終わりという話ではなくて、完全にアウトだ。自らお引きになるのか、総理が任命責任を痛感されて罷免(ひめん)するのか、これしか選択肢はないと思っている」
 28日夕方には民進、共産、自由、社民の野党4党が国対委員長会談を開催し、臨時国会を開くよう改めて政府側に要求します。一方、政府・与党側は稲田大臣の発言には行きすぎがあったことは認めつつ、撤回したことをもって続投させる方針です。
 菅官房長官:「(稲田大臣は)しっかりと説明をされたというふうに思っています。今後とも誠実に職務にあたって頂きたい」
 ただ、東京都議選で苦戦中の自民党内からは「後ろから鉄砲撃たれるようだ」とか「浮動票が入らなくなる」など、懸念の声も聞かれます。安倍政権としても加計学園問題などで苦しい政権運営を強いられているうえに、新たな火種を抱えた格好で、浮上のきっかけがなかなかつかめない状況です。

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