原発裁判 東電元社員が旧経営陣の「時間稼ぎ」証言[2018/04/25 05:56]

 福島第一原発事故を巡って強制起訴された東京電力の旧経営陣の裁判で、震災前に津波対策を進めなかった経営陣の対応について東電の元社員が「時間稼ぎと言える」と証言しました。

 東電の元会長・勝俣恒久被告(78)、元副社長・武藤栄被告(67)ら3人は、第一原発が津波で浸水し、爆発する可能性を予見できたのに対策を怠り、死傷者を出した罪に問われています。裁判では、震災の3年前に津波の規模などを試算していた部署のトップだった元社員が出廷し、当時、武藤被告らの指示で対策が進まなかった状況を「時間稼ぎと言える」と証言しました。武藤被告は想定される津波の高さが最大で15.7メートルになると報告を受けると、外部に研究を依頼するよう指示し、対策を先送りしていました。元社員は「震災前に津波を試算していたので、自分としては事故は想定外とは言い難い」と話しました。

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