仏経済学者ピケティ氏が来日 アベノミクスに注文[2015/01/29 22:31]

 先進国で格差が拡大していると論じ、著書が世界で異例のベストセラーとなっているフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏が来日し、アベノミクスについて注文を付けました。

 ピケティ氏は著書「21世紀の資本」で、アメリカでは上位10%の富裕層の所得が全体の50%を占めるなど、資本主義では貧富の格差が拡大する傾向にあるとしています。700ページを超える経済の専門書にもかかわらず、世界での発行部数は100万部を超え、日本語版も12月に発売されてからすでに13万部を超える異例の売り上げとなっています。都内で開かれたシンポジウムで、ピケティ氏は日本について、人口減少社会では相続により格差が拡大する恐れがあるとして、資産課税の強化に加え、出生率を増やすために男女平等を進めていく必要があるとしました。また、アベノミクスについては、アメリカやヨーロッパと同様に金融政策に依存しすぎだと指摘しました。そのうえで、政府・日銀が目指す物価上昇のためには、賃金を増やす必要があるとし、税制改革や教育改革なども進めるよう注文を付けました。

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