東芝 歴代3社長が「経営判断」水増し額1562億円に[2015/07/21 11:50]

 東芝は20日、利益水増しを調査していた第三者委員会の報告書を発表しました。このなかで、今の田中久雄社長のほか、佐々木則夫副会長、西田厚聡相談役の歴代3社長が利益達成を強く迫ったとして、不適切な会計処理は「経営判断として行われたもの」と指摘。水増し額は1562億円に上るとしています。そのうえで、関与した取締役らの責任の明確化や幹部職員の懲戒手続きなどを求めています。

 (経済部・野口有香記者報告)
 日本を代表する名門企業で、歴代の社長らも関与し、利益の水増しが行われていたことが認定されました。
 東芝・西田厚聡相談役:「報告書はこれから会社に行って読みますから」「(Q.上積みを強く要求したということですけれども?それが(不適切会計の)要因だということですけれども?)そんなことはないですよ」
 20日に提出された第三者委員会の報告書では、利益の修正額は、東芝の調査分と合わせると2008年度からの約7年間で1562億円に及んでいます。西田相談役や佐々木副会長など歴代の社長が過大な目標達成を強く迫るなどし、「上司の意向に逆らうことができないという企業風土」があったと指摘。また、社内の監査委員会による内部統制が機能していなかったことも問題視しています。証券取引等監視委員会は検査を再開し、金融庁に対し、東芝に課徴金を課す行政処分を求める方向です。21日午後5時から田中社長が記者会見を行う予定ですが、田中社長らの辞任は避けられない見通しです。

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