「核のごみ」海底埋設を検討へ 陸地めど立たず[2016/01/26 11:52]

 「核のごみ」の処分場は海底も視野に入ってきました。原発から生じた核のごみは現在、1万7000トン以上あり、政府は候補地を検討しています。しかし、陸地では住民の反発が予測されるため、海底の地下も候補地にできるのか、経済産業省はその研究会の初会合を26日午前に開きました。

 (経済部・朝日健一記者報告)
 研究会ではまず、「なぜ沿岸海底を検討するのか」という基本的な説明から始まり、海底処分場を造るうえでの検討課題について議論されました。26日の研究会では、海底にすると陸上輸送の距離が短くなる点や土地利用の制約が少ない点などのメリットが挙げられ、実際、海外では海底で低・中レベルの放射性廃棄物処分場が操業していることなどが紹介されました。ただ、課題は少なくありません。処分場の建設や処分場の操業の際に安全性が確保できるのか、さらに、津波災害や建設時の海の水圧に対応できるのか、また、漁業関係者から強い反発の恐れもあります。経産省は今年中に有望地の提示を目指していますが、海底に関するデータが少ないという声もあり、本当に海底処分ができるのか実現性を含めた検討になりそうです。

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