原発事故処理費用「21.5兆円」に倍増 国民の負担は[2016/12/09 11:46]

 私たちの負担が今後、増えることになります。東京電力・福島第一原発の事故処理の費用について、経済産業省が新たな試算を公表しました。これまでの試算と比べて廃炉の費用は4倍の8兆円に増加、賠償と除染関連の費用も大幅に増えました。総額は3年前の試算の2倍となる21兆5000億円に膨れ上がっています。国民負担の枠組みについて取りまとめの議論が行われています。

 (経済部・小清水克記者報告)
 原発事故の費用はこの3年間で倍増し、東京電力の負担が大原則としながらも国民負担に回さざるを得ない状況が浮き彫りとなりました。
 世耕弘成経済産業大臣:「作業が進捗(しんちょく)するなかで徐々に状況が明らかになり、さらに資金を確保する必要があるという判断に至った」
 東電改革委員会では、原発事故の処理費用が22兆円規模に上り、東京電力が原発事業の統合再編などを進めて費用を捻出するとした改革案の骨子が示されました。賠償で増える2.5兆円のうち2.4兆円は「昔から原発の電力を使ってきた」という理由で、新電力を含めて電気料金に上乗せします。新電力が標準家庭で1カ月18円の負担増が40年間続くことになります。廃炉で増える6兆円ついては、東電の利益を電気代の値下げに回さずにその分を充てる内容が含まれました。自民党の部会では「今後、数字が上がるかもしれないなかで、このやり方はよくない」などの声が上がっています。試算が3年間で倍増したように、原発事故のコストは今後も増加する可能性があります。経産省は、あと1回の議論で年内に取りまとめを行う方針です。

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