“森友文書”財務局OBの真相解明訴えに麻生大臣は…[2018/11/03 15:00]

 森友問題を巡り自殺した職員の元同僚らが私たちの取材に応じ、財務省の対応がおかしいと訴えました。スクープインタビューです。

 近畿財務局で働いていたこの男性は、自殺した職員の同僚でした。
 自殺した職員の元同僚・近畿財務局OB:「(自殺した職員は)実務の担当責任者。現場職員に聞いたが、(月に)100時間を超えるような残業をずっとやらされて。そして、やっている仕事は何かというと『改ざん』。公務員にとっては本当にどうしようもない仕事をさせられた。ある職員の話では、見ている間に顔付きが変わってきた」
 自殺した職員の元同僚・近畿財務局OB:「(Q.自殺した職員が目付き顔付きは具体的にどのように変わってきた?)明るい、すごく声も大きく言いたいことを上の方から『こうしろ』ということについて、自分が納得しなければ全部それに抵抗するというか、はっきりものを言う。だから、彼が死んでしまうようなそこまで追い詰めたのは何だったのか」
 改ざん前の決裁文書には、安倍昭恵夫人をはじめ、複数の政治家の名前がありました。財務省の報告書では、改ざんの動機は明らかになっていません。
 麻生財務大臣:「それが分かれば苦労せんのです。それが分からんから皆、苦労してるんです。私らも」
 関東財務局OB:「調査報告書では、“なぜ改ざんが行われたか”。“誰が改ざんを指示したのか”。ここを明らかにするのが最も大事なところだと思う。調査報告書については、そのことがあいまいにされてる」
 関東財務局OB:「墨を塗って隠すとかいうことは、(文書の)提出を求められた時にあったとしても公務員として働いている者の発想としてはない。まるっきり作り変えてしまうことは、上からの指示がない限りはとてもできないと思います。現場が抵抗していたにもかかわらず、とにかく強引にやれということでやらせたということは異常極まりない」
 東海財務局OB:「(Q.上下関係の絶対にあらがえない仕組みが?)ある程度は自分たちの意見は言っても、その上にさらに本省からこうしてくれと言われれば対応せざるを得ないというのが現実」
 近畿財務局OB:「(Q.決裁文書に安倍昭恵夫人の名前、これが判断に影響?)普通ですね、貸し付けにしろ売り払いにしろ極めてシンプルな書類のはず。あれだけ丁寧に事の発端から様々な人の名前や行為がきちんと時系列に並べられて、誰が見ても分かるようにする。やっぱり皆、必死に現場の職員たちは考えてちゃんと残さなあかんという意識があったのでは」
 東海財務局OB:「(Q.8億円値引きの根拠ですよね?)具体的には(会計)検査院は、その根拠を確認することをできなかったと言っている。もう少しきちんとした調査をしない限り納得はできないと思います」
 東北財務局OB:「とてもじゃないが、国会や国民に対して十分に分かるような説明はされてない。我々、国民に対してはしていないじゃないでしょうかね」
 森友問題について問われた、麻生大臣は…。
 麻生財務大臣:「(Q.すでに説明責任は果たしていると?)私どもとしては、これまで通りできる範囲のところできちっと答弁・対応等、色々させて頂いたと思っていますけれども」「(Q.今も(佐川氏を)国税庁長官にしたことに間違いはなかったと思うか?)そう思っている。佐川という人物は極めて有能な行政官だったと」
 「責任」の取り方に、財務局OBの胸の内は…。
 関東財務局OB:「財務局の職員は皆、公平で公正で民主的な財務行政をしようという気概と誇りを持って日々、生活しているんです」
 近畿財務局OB:「麻生大臣は今度の就任にあたって『前の(佐川)理財局長は有能な公務員だった』と褒めたたえた。えっ、そんなことがあっていいのかと。国会を欺き、国民を欺き 、犯罪行為に等しい事をしでかした人を有能な公務員として評価することがあったとしたら亡くなった職員は一体何だったんだ」
 自殺した職員の元同僚・近畿財務局OB:「(Q.真相にたどり着かない今の状況を財務局の職員はどんな思いでいる)50年近く勤めてきた本当に愛すべきすべて人生過ごしてきた仲間たちと過ごしてきた仕事、誇りを持ってやってきたその職場がそんな疑惑を持たれて全然、説明できない。麻生大臣があんな態度でずっと大臣であり続けるって自殺した職員を知っている周りの人とか近財の職員、管財部の職員にとってみたら本当に耐えられないと思う」
 財務局OBへのインタビューの翌日、麻生大臣は…。
 麻生財務大臣:「(Q.財務局OBが、顔出しでインタビューに応じて、麻生大臣が佐川氏を『有能な行政官』と発言したことに『麻生大臣があのような態度で大臣であり続けるのは、自殺した職員を知っている周りの人や職員は耐えられない』と)そういった意見もあると思います。そういった意見もあるということは伺っておきます。それしかほかに言いようがありませんが。そういった意見もある。そうじゃない意見もありますから」「(Q.大臣自身の資質をどう考えるか?)私の大臣としての資質について、これは私を大臣に指名されたのは私ではなくて、大臣を選任するというのは、総理大臣の専権事項ですので、それがどうかというのは総理大臣に聞かれた方がいいと思いますね」「(Q.ご自身としては?)自分のことを自分で評価するという立場にはありませんな」「(Q.改ざんの理由を麻生大臣は、『分かれば苦労しない』としたまま、自殺した職員の元同僚らは今も真相究明を求めていました)答えは以前、申し上げた通りです」「(Q.それ以降で何か分かったことや動機はこれではないかと思うことは?)あれ以降、新たに分かったという事実は聞いておりません」
 安倍総理大臣:「二度とこうしたことが起こらないよう再発防止策を講じ、組織を立て直していかなければなりません。麻生財務大臣にはその先頭に立って責任を果たして頂きたい」

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