“貧困地域”支援も コロナ後「旅行の新しい形」[2020/11/01 22:30]

『未来をここからプロジェクト』。
コロナ禍で、藁をもつかむ思いで始めた「新しい旅行の形」が少しずつ育ち始めています。

▽航空、旅行業界の需要激減。
ANAが発表した赤字見込み額は過去最大の5100億円、JALも2400億円以上になると見られています。
そんな苦境の続く旅行業界の星が、時間的・空間的にも制約を受けない「オンライン旅行」です。

HISでは「世界5都市を巡るツアー」が5000円、「人気占い師に占ってもらうインドツアー」は3600円〜。
今や600以上のオンライン旅行を展開し、利用者数も4月以降伸び続け、2万3千人を超えています。
HIS担当者「次の旅行はどこに行こうかな、とつながったり、今後HISの新たな屋台骨の事業となる、ここを目指して力を入れていく。」


▽収益の柱となる企業も
オンライン旅行を収益の柱にまで成長させた会社が、香川県の琴平バスです。
これまで主力だったバスツアーの売り上げは、4分の1まで激減。
しかし、オンラインツアーが売り上げの25%を占めるまでに成長しました。一体、何が受けているのでしょうか?

この日行われていたのは、福岡の名所を巡るツアー。
ツアーガイド「日本一と言われている、大しめ縄でございます」

事前撮影した絶景映像を組み合わせるなど工夫し、お店に立ち寄ると”特産品”の購入サイトが紹介されるシステムも導入しました。
参加者「醤油がすごくいっぱいあって、お取り寄せしてみたいと思いました」

そんなオンライン旅行、こんなニーズも掘り起こしているといいます
 ・介護が必要な家族との旅行<利用者のメリット>
 ・自宅から、短時間で添乗員の仕事ができる<働く人のメリット>


▽貧困を救う一助に
今年6月からオンライン旅行に参入した「Travel At Home」。それまで旅行とは全く無縁で、海外で自動車リースなどを行ってきました。
現在、世界30カ国のディープな旅を提供しています。

<ウガンダツアーの様子>
現地ガイドのクリスさんが案内してくれたのは、地元の人しか行かない市場「ナカセロマーケット」。
RPGのように行きたい場所をその場でガイドに伝えて、自らプランを組み立てることができます。

クリスさんに食堂で紹介してもらったのは、ウガンダのファストフード。
オンラインでは残念ながら味わえないので…

スタッフ 「ちょっと食べるのが見たいなぁ」
現地ガイド「熱っ、おいしいけど熱い。卵もチャパティも塩味」

現地ガイドとの掛け合いが魅力の、このツアー。
料金は1時間4000円で、そのうち3000円がクリスさんに入ります。
これはコロナ禍で物価が急上昇しているウガンダの人にとって、大きな収入です。

現地ガイド
「1回やると、1週間です。1週間生きていけます」
Travel At Home担当
「アフリカの国々ではやっとの思いで仕事を見つけても、収入が少ない仕事しか無かったりする問題があり、その解決策の1つとして、このオンライン旅行は役に立てるなと思っています」

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