家電にも影響“半導体不足”が深刻化…なぜ?[2021/06/08 23:30]

いま世界的に“半導体不足”が続いていて、私たちの生活にも影響が出ています。

埼玉県にある自動車販売店を訪れた夫婦は、車の購入を検討していましたが、納車が10月と言われ、驚きを隠せません。契約から納車まで、通常は1〜2カ月でしたが、今は、季節をまたいでしまうといいます。

自動車は“走る半導体”とも呼ばれ、エンジンやブレーキだけでなく、ドアやETC、車載カメラなど、ありとあらゆる場所に半導体が使われています。なかには、カーナビやドライブレコーダーが入荷できず、納車が遅れるケースもあるといいます。
杉戸自動車・泰楽秀一社長:「今年もさることながら、来年にまで影響が残ると聞いているので、より一層、新車の納期遅れは、深刻になってくると危惧している」

自動車用の半導体が不足している原因には、新型コロナウイルスも大きく影響しています。テレワークや巣ごもり消費で、パソコンやゲーム機といった家電の需要が急増。半導体の争奪戦が激しくなっています。これに追い打ちかけたのが、半導体大手の『ルネサスエレクトロニクス』で3月に起きた火災です。こうしたこともあり、複数の自動車メーカーが、生産を一時停止。今月に入ってからも、トヨタや日産、ダイハツなどが一時的に一部の工場停止を余儀なくされています。

半導体の生産現場をのぞくと、需要に応えたくても、すぐには対応できない理由が見えてきました。『新日本無線』の工場を訪れました。そこで案内されたのは、髪の毛の100分の1以下のゴミも許されないクリーンルームです。ここでは“ウェハー”と呼ばれる薄い円盤に、何重もの工程を重ねて、細かな電子回路を焼き付けていきます。1つ1つが半導体のチップになり、ケースに収められて完成。しかし、長いものだと、製造に3カ月ほどかかるため、需要が増えてもすぐに対応できないのが現状です。
新日本無線・野邉和重専務:「今までは顧客が3カ月前に発注すればよかったものを、6カ月前とか9カ月前に発注して、かなり受注が殺到している状況。半導体メーカーのどこの工場に聞いても、フル稼働という会社ばかりだと思う。まだ、この状況が続くのでは」

長引く半導体不足。これからの季節に欠かせない、あの商品にも影響が及んでいました。
栄電気・沼澤栄一社長:「洗濯機でも(半導体の)基板が作れないということで、あるメーカーは『7月になったら製造できない』と言われた。エアコンのある機種は『7月に製造ができない』と言われて、今はもう受注もできない状態」
メーカーから、こうした連絡が来たのは、4日前のことだといいます。今はまだ一部の商品ですが、今後、影響が広がる可能性もあります。
栄電気・沼澤栄一社長:「どの商品にも半導体って入っている。どの商品が製造できるのか、はっきり情報が欲しい」

こうした状況に政府は、こう説明しました。
梶山経済産業大臣:「経済産業省としては、半導体の需給の安定に向けて、企業への協力要請など、できる限りの必要な措置を講じてまいりたい」

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