“CO2を削減”新たな航空燃料の争奪戦 脱「飛び恥」へ…「ミドリムシ」が切り札に!?[2022/01/25 12:10]

 テレビ朝日は「未来をここからプロジェクト」の一環で持続可能な社会を目指すSDGs企画をお伝えします。

 25日のテーマは「気候変動に具体的な対策を」です。

 温室効果ガスの排出量が多い飛行機での移動を「飛び恥」と批判する声もあり、CO2を削減できる新たな航空燃料の争奪戦が始まってます。

 全日空は国内で初めて、飛行機を使って出張した企業が「CO2をどれだけ削減できたか」証明するサービスを始めます。

 利用するのは「SAF」と呼ばれる、新たな航空燃料です。

 原料に使用済みの油や藻などを使うことで、化石燃料に比べて最大8割程度、CO2の排出量を削減できるとされています。

 ただ「SAF」の供給量はまだ非常に少なく、世界の航空燃料全体の0.1%にも及びません。生産する企業も欧米に集中していて、日本は遅れをとっています。

 全日空企画室企画部・乾元英マネージャー:「欧米を中心にSAFの搭載を義務化するような議論も始まっていますので、日本としても対応できる環境整備が喫緊の課題」

 さらに、アマゾンの関連企業が東京−ニューヨーク45往復分のSAFを確保したり、マイクロソフトがSAFの生産に取り組む企業に出資するなど航空会社以外も含めた争奪戦が激化しています。

 こうしたなか、池や田んぼなどに発生するある微生物に目をつけた企業があります。

 「ミドリムシ」の健康食品を手がけるユーグレナは、使用済みの食用油とミドリムシを原料としたバイオ燃料を開発。この燃料で去年初めて民間ジェット機を飛ばしました。

 3年後には今の2000倍規模の生産能力のプラントを稼働させて、商用化に乗り出したい考えです。

 ユーグレナ・江達バイオ燃料事業部長:「日本で使われる燃料は日本で作られるべき。一歩踏み出すということでやることに意義がある」

 政府は2030年に使われる航空燃料の10%をSAFにする目標を掲げていますが、SAFの価格が高いということもあり、簡単な道のりではありません。

(C) CABLE NEWS NETWORK 2022

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