原油130ドル超、日本企業の貨物船にミサイル攻撃…ロシア情勢が日本にも影響[2022/03/07 23:30]

ロシアのウクライナ進攻を受け、日本航空と全日空は、ロシア上空を飛ばない迂回ルートでの運航を始めました。これまでは、ロシアを突っ切るルートをとっていましたが、日本航空はアラスカを通る北回りに変更。全日空は中央アジアを通る南回りのルートに切り替えます。
日本航空広報部羽田広報グループ・神永直也さん:「燃料代が、その分、かさむので、飛行時間に合わせて搭載する燃料も増える。行きに15%、帰りに20%増量になる。コロナウイルスの影響で減便したり、国際線は乗客が限られているのでダメージが大きい。航空業界は平和のもとに成り立つ業界。紛争があると、直接、影響してくる」

影響は、空路だけにとどまりません。ウクライナ沖に停泊していた日本企業が所有する貨物船が、ミサイル攻撃を受けたといいます。
貨物船を所有する愛媛の海運会社:「この状況だと、メインルートだった黒海ルートは使えない。トウモロコシや小麦など穀物の輸入は、他の国に切り替えざるを得ない」

世界の小麦は3割、約6000万トンがロシアとウクライナから輸出されていました。今後、日本の食卓にも影響が出てきそうです。
資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表:「中東・北アフリカは、輸入はロシア、ウクライナ産の小麦。これらが入らなくなると、輸入先をオーストラリア、アメリカ、カナダにシフトする。ここは日本の小麦の輸入元で、争奪戦の動きになってくる」

7日の東京市場、日経平均株価は、一時、下げ幅が1000円に迫るほど急落しました。その要因にもなったのがアメリカ・ブリンケン国務長官の「ヨーロッパの同盟国やパートナーとロシア産原油の禁輸を検討している」という発言です。これを受け、ニューヨークの原油先物相場は急上昇。一時、1バレル=130ドルを超えました。

生活への影響が懸念されるなか、経済制裁を行う意義を問われた岸田総理は「国際秩序の根幹を守り抜くため」としたうえで、こう述べました。
岸田総理:「国民、企業等にさまざまな影響が及ぶことは避けられないが、大きな目的のためウクライナ国民への連帯を示すべく、行動することの重要性について、国民のご理解を賜りたい」

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