牛タン“原価率7割” 背景に中国も?「戻らぬ客足・物価高・燃料高騰」焼き肉店三重苦[2022/06/19 22:30]

海外からみると「日本は安い」一方で、私たちが直面しているのが値上げです。
円安で仕入れ値が跳ね上がったという焼肉店を取材しました

▽牛タン“原価率7割”焼肉店の異常事態
(焼肉「ほるもんスタジアム」横川真悟代表)「経営圧迫の三つどもえです。円安がここまで来るとは思わなかった」
コロナ禍、行政からの様々な制約を守り、維持してきた焼肉店。今、円安による肉の値上げが経営を圧迫、限界に来ているといいます。
「牛タンとかハラミは300円とか一気に上がっていく1kg当たり…」
店が仕入れた1.5kg、仕入値およそ4800円の外国産の牛タン。この大きさで提供できる量は5.6人前ほど。
「うちの場合4つに分けるんです。ここが上タン、ここが牛タンで、上タンは2人前、牛タンは4,5人前くらい取れる。」
売り値は、「上タン」は2人前、「牛タン」は4人前として6600円。仕入れ値の4800円で計算すると、原価率はおよそ70%です。
「要は70円で仕入れたものを100円で売っているんです」
いい物を安く提供したい…肉の卸業者とのやり取りは白熱します。
(横川代表)「下がりそう?」
(肉卸業者)「まだ下がるものは無さそうですね。結構、円安に加えて物流が全然円滑にいってないので品不足みたいな感じで…」
(横川代表)「そうすると国産とか動かないの?」
(肉卸業者)「輸入物が上がると国産もそれに合わせて値上げしてくるので僕らは上げるでしょうね」
(横川代表)「確実に上げるよね?」
(肉卸業者)「悪気はないですよ」
(横川代表)「やり方が汚いな!」
(肉卸業者)「お客さんに無理してうちが高いのに取って下さいとは言えないので」
また、肉の価格上昇には意外な要因も…
(肉卸業者)「日本は(肉の加工の)要求が細かいので、中国だと骨の付いた状態でバンバン数を買ってくれるので。」
(横川代表)「『日本に売らなくても中国に売るからいいや』、みたいな?」
(肉卸業者)「そうですね」
肉以外にも様々な値上げの要求が届く中、焼き肉店では重要な炭が10%値上げされました。さらに懸念されているのが光熱費の高騰です。
(焼肉「ほるもんスタジアム」横川真悟代表)「(焼肉屋は)冷房を効かせて換気しているから大体1カ月夏で25万円です。それが倍になったら…電気代(高騰)はちょっときついです。」
開店して15年、コロナ禍以上に厳しい現状を感じているといいます。
(焼肉「ほるもんスタジアム」横川真悟代表)「この店内が物語っている通り…緊急事態です。客足が戻らないというのはお店の努力とかそういう部分になってくるのでおいておいて、円安と電気代とかはまた別の話。緊急事態宣言の時より緊急事態ですから…」


6月19日『サンデーステーション』より

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