寄付も集まりづらく…生活困窮者の苦境さらに 秋の値上げラッシュ生活に打撃[2022/09/01 23:30]

9月も値上げの波が止まりません。2400品目以上の食品類が値上がりする見通しで、すでに多くの人に影響が出ています。

海鮮丼店を営む佐藤龍介さん(34)。1日から値上げになるどんぶり容器などを、値上げ前に買い込みました。これまで週3回、使う分だけ仕入れていましたが、お金を借りて2カ月分確保しました。

丼丸龍滝野川店・佐藤龍介店長:「どうしてもそんなに利益が出る商売じゃないので、バーンと出るお金はなかなか作りづらいので、そこはちょっと借りて」

今年、15%の値上がりが2回、容器や保冷材が30%近く上がり、利益を圧迫します。

丼丸龍滝野川店・佐藤龍介店長:「どうしても1円かかっちゃうと、細かいことの積み重ねなので、値上がった分を商品に転嫁するのはなかなか難しいので、少しでも…という気持ちが一番大きい」

味の濃いメバチマグロがこだわり。「少しでも安く」と地域に貢献していますが、個人経営店には負担がのしかかります。

丼丸龍滝野川店・佐藤龍介店長:「企業努力だけでどうにかなるかと言えば、もうやり切ったかなと。お客様の所得が上がっていかないと、値上げしづらいところもあるので、このコロナ禍ですし、社会保障費を優遇するとか、消費税を優遇するとかしていただければ、お金が動くのかなとは思う」

物価高の要因は、原材料の値上がりや原油高騰に伴う物流費の値上がりなどです。さらに、1日に一時1ドル=140円目前と、24年ぶりの水準を更新した円安も、物価を押し上げています。

東京電力では、平均的な家庭で去年より2028円値上がりします。年間では2万円近く、家計を直撃しています。

10年以上、活動を続ける山梨県のフードバンクでは、家庭や企業から余っている食品を集め、困っている人に届けています。

コロナ禍前に比べると、需要は約2.6倍になりました。シングルマザーが多く、一人暮らしの大学生なども利用しています。ここにも物価高が影響しています。

フードバンク山梨・米山けい子理事長:「こちらからは空のパレット。食品がないですね。非常に少なくなっている」

去年の夏は15トン集まりましたが、今年は10トンほどと集まりにくくなっているといいます。

フードバンク山梨・米山けい子理事長:「おひとりおひとりの(寄付)量が、物価高を受けて減っているのかなと。値上げされたものは、特に寄贈しにくい状況になっている」

9月から2500品目近くの食品が値上げされますが、10月にはさらに6500品目以上の値上げが控えていて、生活直撃のピークはこれからです。

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