“週1営業”サービス満点のスーパー 肉も野菜も“激安価格”…常識破りで大人気に![2023/04/22 11:00]

東京・足立区にある、サービス満点のスーパー「肉の金井」。肉も野菜もすべてが激安価格で、一日500人以上が詰め掛ける人気ぶりです。さらに驚くべきことは、スーパーにもかかわらず、営業が前代未聞の“週1日”だけ!常識破り、場所も不便なのに大盛況な秘密を探るため、裏側を追跡しました。

■豚ロース100gが95円! 大量買いが続出

最寄り駅から徒歩15分の場所にあり、毎週土曜日だけ営業するスーパー。

店先で、ひと際大きな声を出すのは、社長の金井孝雄さん(82)です。

そして、妻の三紀子さん(72)、息子の孝一さん(47)、娘のあづささん(49)。家族が中心となって店を切り盛りしています。

客:「本当に安くて、品物もすごく良いんですよ、肉が」「この子(息子)もともと肉が嫌いだったんですよ。でも食べるようになって」

高級店にも引けをとらない、おいしい肉が格安で手に入ると評判です。

金井社長:「これ和牛よ」

100グラム1200円以上する黒毛和牛が、なんと半額以下に!国産のとりむね肉だって、100グラム63円です。

この日の特売品、豚ロースは100グラム95円。となれば、思わず大量に買い込んでしまう人が続出。

客:「持ちきれないですよね〜。カゴもう1個欲しいですよね」

■総菜No.1「から揚げ」 4時間で“300人前完売”

「肉の金井」では、自慢の肉を使った手作り総菜も人気です。

和牛が入ったメンチカツは2個216円。100グラムのジャンボコロッケは2個で162円と、これまたリーズナブル!

客:「自分で揚げるより全然良いよね」

妻・三紀子さん:「私も、うちで揚げないで、(夫が)揚げたものを買って食べるから」

中でも1番人気は、開店して4時間で150キロ、およそ300人前が売れてしまうという、1グラム1.2円のから揚げです。

子ども:「ここのから揚げがすごく大好き!」

会計待ちのお客さんには…。

金井社長:「お母さんにも、はい」
客:「本当にありがとう」

金井社長:「お兄さんも待っていたら疲れちゃうからね、どうぞ〜!」

丸々1個、試食のサービスをするのです。

客:「アツ!できたて!」

■肉だけじゃない! “野菜”も驚きの価格

お客さんの要望には、“極力応じる”が社長のモットー。

金井社長:「はい、お母さん。どうぞ〜」

客:「ありがとうございます。おいしいの!」

金井社長:「最高でしょ?」

目当てのものがある場合、取り置きも受け付けています。

お客さんの目当ては、他にも…。

客:「お肉屋さんなのに、野菜目当てで来ても良いくらい」

小松菜が3袋で105円。長ねぎは2本で73円。バナナは1房108円です。

1週間分の食材を買いに来た夫婦。

客:「7人家族なんです。育ちざかりが4人もいるので」「いま色々あがっているじゃないですか、助かります」

■価格破壊“卵50円”…気分次第で“無料”も!

常識破りのサービスはまだまだあります!会計中には…。

店員:「お肉1500円までに、あと40円くらい届かないんだけど大丈夫?卵50円になるけど」

肉を1620円以上購入したお客さんは、なんと!野菜が1つ5円か、卵が1パック54円で追加購入できるのです。

客:「(卵が)50円なんです。いまどき」

でも、まだ驚くのは早い!極め付きが…。

金井社長:「(Q.これなんですか?)ご自由に持っていっちゃって」

社長の気分次第でタダになる商品も!!

小さなお客さんには、お菓子のプレゼントです。

金井社長:「でも面白いでしょ?いつもこんな調子」

息子・店長 孝一さん:「昔からこんな感じだからね。変わらないよね。周りは大変だけど」

■崖っぷちも“V字回復” なぜ週1営業に?

今からおよそ45年前。肉の金井がオープンした当初は、周辺にはスーパーもなく、にぎわっていたといいます。しかし…。

金井社長:「スーパーがバンバンできちゃった。うちもあっという間に売り上げが落ちちゃった」

オープンして10年後には、月に50万円の赤字が出るほど客足は減少。

金井社長:「減っちゃうなんてもんじゃない。まるっきりよ」

そんな崖っぷちの中、支えとなってくれたのが…。

三紀子さん:「なんか曲がっていない?」

金井社長:「大丈夫だよ、曲がっているのはお母さんの頭だよ」

三紀子さん:「人に手伝わせておいてなによ〜?」

明るく社長を支える家族でした。

娘・あづささん:「白菜のカゴ用意しておくから」

応援してくれる家族のためにも営業は続けていきたい…。

考えついたのが、営業を週1日だけにして、“お客さんが驚くほど大安売りをする”という思い切った決断でした。すると…。

客:「週1だから、逆に絶対来ようって気になる。常に開いているより」

週1日営業のため、大量買いするお客さんが増え、客単価が大幅にアップしたのです。

金井社長:「1カ月の売り上げが毎日やっていた時の売り上げを2週間で超えた」

■仕入れのヒミツは…“社長の1週間”

常識破りのサービスを生み出す“スーパーな社長”が営む激安スーパー。

なぜこんなにも安く売ることができるのか?その秘密を探るため、社長の1週間を追跡しました。

金井社長:「はい、どうも」「(Q.きょう、お仕事は?)休み!」

月曜日も…。火曜日も…。なかなか秘密は明らかになりません。

営業前日の金曜日。ついに、社長が動き出しました。

到着したのは、埼玉県のとある市場。野菜をトラックへ運びます。ここまでは普通の仕入れ風景です。

しかし、自宅に到着すると、耳を疑う言葉が…。

金井社長:「ダイコンなんて1本も頼んでいない。ナスも頼まなかったよなぁ」

三紀子さん:「頼んでいないね〜」

え…社長、仕入れは大丈夫なんですか?

実は、この野菜は卸業者が大手スーパーなどからの大量発注に備えて用意したものの、出荷できず残ってしまったもの。

金井社長:「(Q.質は悪くない?)悪くないよ!最高のやつよ」

そうなんです。仕入れる野菜は、すべておまかせ。まとめて買い取ることで、良いものを安く仕入れられるのです。

さらに、週1日の営業なので、人件費や電気代も抑えられるため、その分お客さんへ還元できるといいます。

今年で83歳になるスーパーな社長、まだまだやりたいことだらけだそうで…。

金井社長:「本当は焼き肉屋をやりたい。焼き肉屋やる時、呼んでやるから。おいしい肉を」

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