“水素コンロ”導入 旅館女将の決意「CO2減らして温暖化止める」[2023/08/19 12:38]

 温暖化対策としてCO2を排出しないエネルギーが注目されています。あることをきっかけに水素を燃料としたコンロを導入した箱根の旅館を取材しました。

 強羅花扇「円かの杜」 松坂美智子取締役女将:「あの日の光景は本当に直視できないぐらいの衝撃でした」

 そう言葉を詰まらせるのは、4年前、台風による土砂災害で系列の旅館を失った松坂美智子さん。この体験をきっかけに地球温暖化対策を自分のこととして真剣に考えるようになったといいます。

 強羅花扇「円かの杜」 松坂美智子取締役女将:「子どもたちにどんな未来を私たちが残せるかということを強く感じます。二酸化炭素を排出しないという取り組みが必要ではないかという思いに至りました。それで導入を決めました」

 水素コンロは酸素と結合して水分を出しますが、CO2を一切排出しません。また、通常のガスコンロよりも火力が3割ほど強く、調理時間を短縮できます。

 レストランでは実証実験が行われていますが、宿泊施設で導入されるのは初めてです。

 強羅花扇「円かの杜」 柴尾良太総料理長:「(肉を)置いた瞬間に焦げたりする。火力が強いので」

 この旅館では現在、2台の水素調理器具を年末までに5台に増やす予定です。

 燃料費は通常のガスコンロの2.5倍ほどかかりますが、年間のCO2排出量およそ20トンのうち3.2トンを削減できるということです。

 強羅花扇「円かの杜」 松坂美智子取締役女将:「一気にガーと(CO2が)減るわけではないのですが、ちょっとずつちょっとずつ減らしていく努力をしていきたいなと思います。この箱根は本当に自然が豊かでその自然への感謝、その気持ちを持って地球温暖化というものを食い止める」

 政府も水素技術の導入を進めていて、価格を3分の1に引き下げることを目指しています。

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