予約した豪華ホテル…行ったら空き家「だまされた」写真など無断盗用…オーナー怒り[2023/09/14 20:02]

 宿泊施設の予約サイトで豪華ホテルを予約した男性が、宿泊先に行ってみると、雑草が生い茂った空き家だったということです。トラブルに巻き込まれた男性は「楽しい旅行が台無しになった」と話しています。なぜ、このようなことが起きたのでしょうか?

■“豪華ホテル”は約10年前から「空き家」

 トラブルに遭った男性(21):「4人で、なんか夏らしいことをしようということで。BBQできるところに泊まろうという感じでした」

 横浜市の21歳男性と友人3人のグループは8月中旬、夏の思い出づくりでバーベキューをするため、千葉県内の宿泊施設をインターネットで予約しました。

 トラブルに遭った男性:「ブッキング・ドットコムというサイトになります。(宿が)結構キレイで、予約できるというので。ここでいいやみたいな感じで、決めちゃいました」

 男性が利用したのは世界最大級の旅行予約サイト「ブッキング・ドットコム」。「150平米」「外風呂大型テラス」「海3分」などの情報や、サイトには清潔感あふれるベッドルームや、高級感あるリビングなどの写真が掲載されていました。

 料金は割引もされ、4人で1泊3万3120円です。そして、予約したホテルの場所に向かいますが…。

 トラブルに遭った男性:「着いて、それらしいのが見えなかったので、おかしいなと思って。ぐるぐる車で回っていましたね」

 のどかな田園風景を進んでいくと、ホームページに記載された住所に行きついたのですが…。

 雑草が生い茂る庭先。その奥に見えるのは、古びた空き家です。近所の人によると、10年ほど前から人が住んでいないといいます。

 トラブルに遭った男性:「さすがに、これはないよなと。さすがに違うだろと」

■「宿ない」トラブルに巻き込まれる人相次ぐ

 記載されていた住所が間違っていたのか?予約したページを確認すると、そこには電話番号の記載はありませんでした。

 トラブルに遭った男性:「ブッキング・ドットコムの管理者の電話番号につながらなくて。カスタマーサポートセンターにもつながらなくて。あれ?おかしいなとなって」

 スマートフォンで検索すると、別の予約サイトには宿の電話番号が載っていました。

 トラブルに遭った男性:「ブッキング・ドットコムの方から予約したんですけど…と言ったら、ブッキング・ドットコムには当宿泊施設の情報は載せていない。勝手に載せられている」

 ここで初めて、だまされたと気付いた男性。

 トラブルに遭った男性:「いや〜マジか…みたいな。まさか、ないでしょなんて感じだったんですけど。いやもう、本当にないなとなって、みんなイライラしてはいましたね」

 横浜から来ていた男性たちは、必死に他の宿泊施設を探しました。

 トラブルに遭った男性:「しらみつぶしに20件、30件くらいかけて。でも案の定、予約いっぱいでという感じだったんですね。ただ空いているところが1個あって、車で20分くらいだから行ってみようって言って」

 当初は、午後4時からバーベキューをする予定でしたが、予期せぬトラブルに巻き込まれ、新たな宿を探したため、開始できたのは午後9時をまわっていたといいます。

 取材を進めると、男性たちと同じように「宿がない」というトラブルに巻き込まれた人が、多く訪れていたことが分かりました。

 近隣住民:「車で来た人がここをうろうろしているから、それで気が付いたんですよ。お盆のころですね。向こうからも声掛けてきたし」「ここホテルですか?って。荷物買って持ってきたりさ、BBQやる支度してきたんですよ。また次の日、4組、5組くらい来たかな」「(Q.連日?)連日。4日、5日くらいかな」

■写真だけでなく…説明文もほぼ同じ

 今回、被害に遭った男性は、海外の宿泊施設予約サイト「ブッキング・ドットコム」を利用していました。

 本社はオランダにあり、全世界で登録されているホテルや旅館の数は660万件。およそ45億人が利用している世界的な予約サイトです。

 九十九里浜に面し、別荘が多く建てられている千葉県一宮町。そのなかに、被害を訴える貸別荘がありました。

 Villa Torami  中山哲史オーナー:「こちらでバーベキューしながら、食事をする方多いです」「(Q.さらに、あちらに見えているのはお風呂?)外風呂です」

 先月オープンしたばかりの豪華な貸別荘。しかし、この貸別荘の部屋は、架空のホテルのサイトに掲載されていた写真と全く同じだったのです。

 リビング以外にも、ベッドルームも一緒。洗面所も、すべて一緒です。

 中山オーナー:「うちのサイトから全部写真をコピーして、サイトにアップした」「(Q.全くそのまま転載された?)そうです」

 さらに写真だけでなく、ホテルの説明文もほぼ同じです。

■架空ホテルサイトに…“怪しい部分”

 中山さんが“架空のホテル”の存在に気付いたのは、予約客がいるはずのないオープン前の日でした。

 中山オーナー:「あるグループの方から連絡が来まして。“場所が分からない”と…」

 だまされた予約客が、中山さんの貸別荘に電話してきたのです。

 中山オーナー:「すぐ調べたら違う予約サイト。私が登録していないサイト(ブッキング・ドットコム)に全く同じ写真、内容が掲載されていたということですね」

 中山さんはすぐに、ブッキング・ドットコムに連絡。3日後に掲載が取り下げられたといいます。

 しかし、中山さんの貸別荘にも被害が…。

 中山オーナー:「うちのこの場所が“架空なホテル”とか“詐欺サイト”になってしまった。実際、今予約されている弊社のお客様から“この場所は大丈夫ですか”という心配の声も受けてます」

 架空のホテルのサイトには、怪しい部分があったといいます。

 中山オーナー:「なんか、書き方がおかしかったですね。どこか外国にいると思う…」

 中山さんによると、架空のホテルの説明文には「外風呂大型テラス海3分は、ホットタブを提供します」と、変な日本語などがあったといいます。

 中山オーナー:「予約の問い合わせも、減ったかなという気がします。一言で言ったら怒りですね」

■全額返金されるも「遊ぶ時間が…」

 一方、ブッキング・ドットコムから予約した宿が、架空のものだったというトラブルに巻き込まれた男性は…。

 トラブルに遭った男性:「カスタマーサポートセンターと友人がやりとりして、無料のキャンセルという形で(全額)返金されました。お金は結果的に返ってきているんで、笑い話っちゃ笑い話なんですけど。遊ぶ時間が短くなっちゃって。結構ガッカリみたいな気持ちに近いですかね」

■海外でも…ホテル行ったら実在せず

 トラブルは、ブッキング・ドットコム以外の別の旅行予約サイトでも起きています。

 海外旅行で宿泊トラブルに遭ったふじさわあつしさん:「よし行くぞと思って、ホテルに行ったんですけど、アパートしかなくて。やっぱり自分は信じたくないんですよね、大丈夫なはすだ、大丈夫なはずだって」

 去年10月、別の大手旅行予約サイトでホテルを予約し、2週間で3カ国を巡る海外旅行に出掛けた男性。トルコの都市、イスタンブールを訪れた際にトラブルに遭ったといいます。

 ふじさわさん:「飛行機で行ってもうへとへとだから、とにかく宿に入って眠りたいみたいな。なのに宿がなくってっていう、結構精神的なダメージが大きかったですね」

 予約したホテルの住所に到着し、男性が目にしたのは…。

 ふじさわさん:「アパート。日本でいう団地みたいな感じで。人間もちらほらしかいないし、(建物は)ボロボロ。雑貨屋さんのおじさんみたいなのがいたので、(ホテルの写真)見せても、全然分からないよみたいに言われて。『このホテルに俺は泊まりたいんだ』みたいに言うんだけど、全然ダメで」

 ホテルの住所に建っていたのは、さびれたアパートのみ。ホテル側と連絡も取れず、男性は困り果ててしまったといいます。

 しかし、男性がこの旅で遭遇したトラブルはこれだけではありません。ジョージアでも、トルコと同じようにホテルが見つからずに、男性は宿泊を諦めていたというのです。

 ふじさわさん:「メッセージを送ったり、マップを見たりして調べたりするが、結局見つからなくて…」

 さらにアルメニアでは、予約をしたホテルは実在していたものの…。

 ふじさわさん:「予約してるんだって担当の人にいうと、全然そんな予約は来ていないですよと」

 結局、旅行で訪れたジョージア、アルメニア、トルコの3カ国すべてで、トラブルに遭遇した男性。帰国後に予約サイトから宿泊料金は返金されたといいます。

 ふじさわさん:「レビューをちゃんと見ないとなと。(帰国後に)改めて見ると、この部屋はすごいひどい場所で、対応も悪いですとか、この部屋は存在しないですみたいなことが書かれていたので、レビューを見るのが大事だなと」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2023年9月14日放送分より)

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