“超高齢化”増え続ける認知症 予防・治療ビジネス最前線[2024/04/27 13:04]

 高齢者の5人に1人がかかるとされる認知症。その予防や治療、地域の取り組みを取材しました。

 東京・世田谷区の玉川大師。地下にある長さ100メートルもの仏殿とともに知られるのが認知症にご利益があるとされる「ぼけ封じ観音」です。

参拝客(67)
「(認知症の問題は)今一番の課題です」

参拝客(77)
「私なんか3回ぐらい頭下げました」

 土日には100人以上が参拝するこの寺が、あるものを全国で初めて導入しました。

 このスピーカーは、「ガンマ波」と呼ばれる脳波を出しやすくする機能を持つといい、高齢者施設などを中心に月に数百台販売されています。

 ガンマ波は認知機能低下の原因であるタンパク質を減らすという研究結果があり世界的に注目されています。

玉川大師 眞保龍言住職
「(ガンマ波について)正直言って、この話があるまで全く知らなかった。音を通して響かせることで私たちの脳にいいものが注がれるのではないか」

 国内の認知症患者は増え続けています。

 来年には700万人に達するとされ、治療薬「レカネマブ」を投与できる医療機関は全国で600カ所を超えました。

 認知症と診断された人を地域で支える動きも広がっています。

来店客
「喫茶店でバイトとか、やったことありますか」

店員
「家でもこんなのやったことない」

 70代から80代の認知症の人たちが接客するここは、「まちがえてもmaruカフェ」。名前の通り注文を間違えることもしばしばありますが…。

まちがえてもmaruカフェ 長屋貴子さん(83)
「とても楽しかったですね。いろいろな方にアレして」

大津伸子さん(77)
「躍動感に包まれているというか、それがすごくうれしかったです」

「まちがえてもmaruカフェ」を運営する橋本梢さん
「認知症になってもできることがたくさんあるし、認知症について少し考えるきっかけになったり機会になればいいなと思って」

 超高齢化が進む日本。国を挙げての認知症対策は待ったなしの状況です。政府は認知症の高齢者も安心して暮らせる社会を目指しています。

こちらも読まれています