絶大な人気を誇る物産展。通信販売であらゆるものが手に入る現代においても、なぜわざわざ足を運ぶのか。実は、お得な秘密が隠されていました。
■“通販全盛”の中…人気の秘密
寒くなったこの季節には心も体も温まるラーメン。豚骨スープに芳醇(ほうじゅん)な地元産のみそを使用し、極太麺がしっかりと絡み合う一杯。
今が旬のノドグロにカニ、甘エビ、イクラといった北陸の海の幸を楽しめる豪華な握りなど石川、新潟、福井、富山の北陸4県のグルメが5日、東京・上野の百貨店に集結しました。
70代の人
「配色がすごくいい」
「特に北陸のおすしはおいしい」
今回の目玉の1つとして打ち出したのは…。
松坂屋上野店 バイヤー 山田隆之さん
「ゴールドグルメです」
一体、何がゴールドなのか、調理の様子をのぞいてみると…。
ほうじ茶を使ったソフトクリームに金沢伝統の金箔(きんぱく)をぜいたくにまといました。
白エビ、ノドグロの海鮮弁当にも。さらに甘エビの上にも金箔が華を添えます。
松坂屋上野店 バイヤー 山田隆之さん
「金使うことで見た目も豪華に華やかになる。そういったところも楽しんでいただけたら」
豪華絢爛(けんらん)なご当地グルメがそろうなか、物産展だからこそできるある秘密がありました。
松坂屋上野店 バイヤー 山田隆之さん
「紹介した商品を含めて現地に行かないと食べられない。通販や取り寄せもやっていない商品がほとんど」
通信販売が発達し、なんでも手に入りやすい昨今、本来は現地でしか味わえないグルメを百貨店にいながらにして楽しめるのが魅力だと言います。
90代の人
「土地のおいしいものが出る。それが一番の楽しみ」
70代の人
「良いですね。行かなくてもおいしいものが食べられる」
物価高のなか、遠くへ旅行に行かなくても近場でお金をかけず気軽に楽しめるのです。
なかには、通常よりもお安く味わえるノドグロやイクラが入った豪華な海鮮弁当も1380円。数量限定販売です。
松坂屋上野店 バイヤー 山田隆之さん
「普段であれば金沢で販売されているお弁当、今ならこの会期中こちらで召し上がることができる。毎日、数量限定ですが、少し値段を下げて販売している。1人でも多くのお客様にお召し上がりいただければ」
さらに一押しの“ここだけ”メニューも。
松坂屋上野店 バイヤー 山田隆之さん
「こちらがハンバーガー。普段は輪島市内のキッチンカーだけで販売しているもの」
脂身が口溶け良い、地元名産の能登牛を使ったハンバーガーです。実はこちら、特別な思いが詰まったグルメでした。
松坂屋上野店 バイヤー 山田隆之さん
「200年以上続く老舗の輪島塗店が始めたハンバーガー店」
去年1月の能登半島地震以降、現地では飲食店が減少。そうしたなか、少しでも多くの人がおいしいものを食べられるようにと、キッチンカーという形での販売を始めたそうです。
THE BEST BURGER Wajima 奥村仁さん
「県外初出店です。輪島に行っていいのかなという人が増えてしまったので、ハンバーガー店を輪島塗のメーカーが始めることで輪島に皆さん来てほしいという思いも込めて」
ハンバーガーを購入した客
「実物見ないと分からなかったが、普段、東京で食べられないものかな。なかなか行ける機会がない。結構ボリュームがありそう、ちょっと楽しみです」
北陸の様々な思いが詰まったこだわりグルメなど、出店しているのは全部で43店舗。そのうち初出店は17店舗に上ります。
松坂屋上野店 バイヤー 山田隆之さん
「今回で2回目の開催。(去年の1回目に)紹介できなかった店や時期も去年より遅いので今年は冬ならではの商品もそろう」
どこにいても色んな物が買える時代のなかで、専門家も“ここでしか手に入らない”ところに物産展の魅力があると言います。
流通アナリスト 渡辺広明さん
「お土産はアンテナショップで買えたりネット通販で買えるものも多い。百貨店の物産展はネット通販などでも買えない。限定、先着何人のものというのは他で買えないので人気になっている」
贅沢グルメ一堂に…物産展の意外な秘密
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