価格が高止まりする一方で、在庫がだぶつき始めているコメ。新米の商談会を取材すると、売り手と買い手の立場が逆転していました。
■“売り手市場”から“買い手市場”に
21日、都内で開かれたコメの商談会。新潟県のコメ農家など25の生産者がブースを出し、首都圏の外食産業や小売業者と取引の交渉をしていました。
コメ農家
「一番大事なのは価格帯?」
飲食店
「そうですね…」
高止まりが続く最近のコメ価格。しかし、現場では異変も起きていました。
コメ農家
「キロどれぐらいだったら買える?」
飲食店
「平均すると780円ぐらいが多かったり、御社だとどれぐらい?」
コメ農家
「今、軽く計算してもいいですか…。税込みで720円とかいかがでしょう?」
飲食店
「全然、お得ですね」
飲食店も喜ぶ、安い価格が提示されていました。
コメ農家
「(業界全体で)今年のコメが余りすぎているので、来年(令和8年)の米価がどれぐらい下がってしまうのかという心配がある」
出展している農家から聞こえてくるのは、去年と今年で「立場が逆転した」という悲鳴です。
コメの農業法人
「去年はコメがなくて、でも『欲しい、欲しい』みたいな。今年になったら(コメが)あふれているので、『価格を抑えたい』という感じになってきますよね。去年は“売り手市場”で、今年は“買い手市場”みたいな」
コメ農家
「違いますね、去年とは。状況が違っています。新米になっても、なかなか新米が動かない。苦しい状態です。日本一の“新潟県のコメ”ですから、そこはプライドを持って、あまり安い(価格)だったら突っぱねるみたいな感じで、毅然とした態度で売っていこうかなと、頑張っております」
来年以降のコメ作りをどうするべきか、悩んでいる農家もいました。
コメ農家
「私たちは酒米も作っているんですけど、『足りない、足りない』って言われていたんですね。でもここにきて、酒蔵がコメが値段が高すぎて、作れなくなってきているので、余り始めているんですよ。1カ月、2カ月前とは状況が変わりました。来年の春にコシヒカリ(主食米)を作っていいのか、酒米を作っていいのか、もち米を作っていいのか、ものすごく悩んでいます」
商談会を主催した新潟県は、生産者と消費者の双方にとって、心地よい価格に落ち着くことを期待しています。
新潟県 農林水産部 神保賢太郎食品・流通課長
「需給のバランスが一番大事かなと思います。価格が高騰しすぎて、消費者も買えないとなってくると、買い控えが起こり、農業者にとっても良いことではない。それぞれが納得できる価格で提供する流れになっていく形がいいのかなと思う」
(「グッド!モーニング」2025年11月24日放送分より)
新潟のコメ商談会 在庫だぶつき立場逆転 “買い手市場”に農家「来年の米価が心配」
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