15日は「年金支給日」ですが、やっぱり聞こえてくるのは「足りない」という声。そこで、きょうのなるほどハテナは「シニアの働き方」です。
■スポット勤務→長期就業で働く77歳
東京・六本木にある水餃子の専門店、ここで働いているのが77歳の中尾嘉孝さん。先祖の名前、「左京左衛門尉祐成」からスケさんと呼ばれています。名付けたのは40歳年下の店長(34)。
「みんなスケさんと呼んでいる」
アルバイトの平均は25歳。若い人に交じって働きます。
「きょうは(午後)11時45分まで。ラストまでなんで、締め作業やって。よっしゃー」
スケさんは去年、何度かスポットで仕事をした後、店から継続して働くことを打診され、現在は週に5日働いています。
「最初はどうなるかと気を使ったんですが、スケさん自身がほんわかしたような方なので…」
「シニアを活用しましょうと言っているわりに、仕事させてくれるところないんですよ。ここに来た時、『固定で入らない?シニア枠あるよ』と。もう渡りに船で…」
スケさんは上智大学を卒業後、商社や保険会社を経て、自ら会社を設立。その傍ら、ここでアルバイトをしているといいます。主な仕事は接客と洗い物。外国人観光客にも積極的に話しかけます。
「スケさんはシニアだから出せる温かい雰囲気とか、若者にはない包み込む親切さが良い。口コミにもスケさんと写真撮りたいとか」
政府の統計によると、65歳以上の高齢者の就業率は26%、高齢者の4人に1人が働く時代です。
スキマバイトサービスのタイミーによると、シニア世代の働き手の49%が、スポットで勤務したのち、勤務先から長期就業を求められたということです。
「若い連中と話してまた飲みに行くのも、これまた楽しいってことですね。たまにはけんかしたりする時もありますけど、若い連中とも絆が深くなっていくみたいな」
スケさんの年金は17万円。バイトでの収入は16万円になります。
■“稼ぐシニア”の働き方
厚生労働省の調査では、65歳以上の高齢者世帯の平均所得はおよそ305万円。そのうち労働による収入は、およそ80万円です。どんな仕事をしているのでしょうか。
「4万くらいしかもらえない、1カ月。少ないよ。だから働いてんだよ」
「(Q.どんなこと?)折り込みです。30年くらいやっています」
年金4万円だけでは生活が厳しく、早朝から新聞販売店で働いているといいます。
「4時間くらい、長くて。大変だよ」
生活のために働かざるを得ない人。
「少ないですよ、6万いくらかな。それだけじゃ全然足りない。仕事やっているからできるのであって」
75歳の女性は、年金以外に化粧品会社を経営している収入があるそうです。
「(Q.いつまで働く?)そういうのないから、自分でやっているから。全部自営業なんで、だから元気でやっています、仕事は」
「22万7000円くらいです。やっぱり厳しいです」
14日に取材した中で、一番年金が多かった男性。71歳まで働いて、その後、駐輪場のアルバイト。それでも厳しい理由は…。
「株で投資で…ここにきてショックです」
「(Q.今厳しいですよね)トランプさんのおかげで、僕もかなりマイナスになっています。やばいっちゃやばい。常にプラスになることしか考えていませんでしたから」
さらに…。
「食べるには困りませんが、いろいろ遊びが好きで」
「(Q.どんなことに使う?)簡単に言えば競馬です。お金かかりますね競馬は」
■60歳以上の仕事説明会に潜入
14日、大阪では60歳以上のシニアを対象とした仕事説明会が行われました。
「9割男性ですが女性ドライバーも活躍していて、男性女性ともに募集しています」
参加者は増加傾向にあるといいます。そのわけは…。
「75歳ぐらいまで働けたらいいな。母が家で仕事していたんで。母が92歳まで現役だったので、もうちょっと手前の私も働けるかなと。できたら10万円くらい欲しい。言っちゃった」
「退職した理由が親の介護だったので、フルタイムで働くのはちょっと難しくなってきて辞めたが、今後は両立できる仕事を見つけたい」
どのような仕事の募集があるのでしょうか?
「大阪府のなかでも人材不足と言われている製造・建設・運輸関係の仕事から、飲食・介護・警備など幅広い職種があり、いろいろな仕事でシニアが求められている、ニーズが高まっているなと感じる」
中でもシニアの今までの経験を“即戦力”と捉え、積極的にシニアを採用する企業が増えているそうです。
最近は「定年なし」や「定年延長」の企業が増え、シニアの活躍の場も広がりましたが…。
「ミスマッチに関しては正直あるかと思う。もっと違う分野でも自分の経験資格を生かせると思う。なので幅広く見てもらいたい」








