経済

グッド!モーニング

2025年4月21日 11:27

「ニセ基地局」スマホ妨害か 詐欺?不審メール次々届く 大規模イベントなら混乱も

2025年4月21日 11:27

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 携帯電話の電波を乗っ取る「ニセ基地局」が現れた可能性があります。東京都内の繁華街では、携帯の電波が届かない、中国語の怪しいメッセージが届くといった不安の声が相次いでいます。

■中国の銀行名乗るSMS 不審なサイトに誘導

 東京・渋谷の道玄坂近くの場所で目撃された車両には、不審な電波を発するとみられる機械が積まれていました。

 今月上旬、SNSに投稿されたのは、渋谷のスクランブル交差点近くに止まる黒い車の写真です。トランクには、大きな機械が積まれています。

 この車は「ニセ基地局」の可能性があるといいます。ここから違法な電波を発信し、携帯電話の通信を妨害。さらに、ニセ基地局から携帯電話のショートメッセージに詐欺メールなどを送信しているとみられています。

 番組が、発見者に話を聞きました。

佐藤さん(仮名)
「毎日、ニセ基地局の電波が強い時にいる車両をすべて撮影して、毎回いる車両を絞り込みました」
3カ月にわたり都内の繁華街を調査
3カ月にわたり都内の繁華街を調査

 佐藤さん(仮名)は、SNSに「繁華街で圏外になる」という投稿が増えたことがきっかけで調査を始めたといいます。陸上特殊無線技士の資格を持ち、3カ月にわたって都内の繁華街を調べました。

 専門家は海外の事例も踏まえ、「ニセ基地局の可能性はある」とみています。

「左のほうに扇風機」
「左のほうに扇風機」
神戸大学 森井昌克名誉教授
「上のほうのオレンジ色のやつは全部バッテリーです。左のほうに扇風機がありますが、電波を出す時にとても温度が高くなる。タイで撮影されたものも、このような形で載っていたと思います。似ているといえば似ています」

 この車が現れると携帯電話が圏外になり、このようなメッセージが届くこともあるといいます。

中国語で届いたショートメッセージ
「クレジットカードの利用を一時停止しています。再度カードを使いたい場合、こちらのURLから有効にしてください」
中国の銀行を名乗り不審なサイトに誘導
中国の銀行を名乗り不審なサイトに誘導

 メッセージは中国の銀行を名乗り、不審なインターネットサイトに誘導しようとしています。

森井名誉教授
「インバウンド客が多いところで、ニセ基地局が発見されています。周りにいる人すべてに対してSMS(ショートメッセージ)を送ることができますから、より効率的ということです」

■アプリ沈黙「仕事にならず」 副業収入減

 「ニセ基地局」の影響は、中国人観光客だけにとどまりませんでした。

中国語の不審なメール
中国語の不審なメール
副業でモバイルバッテリーの補充を行う
あすきさん(40)

「ショートメールで、このような感じで毎回入ってます」

 毎週のように、仕事で渋谷に立ち寄るこちらの人物を悩ませるのは、中国語の不審なメールだけではありません。

 繁華街で毎週末行う、モバイルバッテリーの補充作業。作業には、スマートフォンのアプリが不可欠です。

あすきさん
「全部この仕事はアプリでやっています。(電波妨害されると)補充の完了する際に完了しない。全く仕事にならないですね」

 電波が極端に弱くなり、アプリが起動せず、何度も仕事が不成立に。収入を減らす原因にもなっているのです。

■万博のような…大規模イベントなら混乱も

 「ニセ基地局」は他にも、私たちの生活に悪影響を及ぼす可能性があります。

「大混乱になる可能性がある」
「大混乱になる可能性がある」
森井名誉教授
「万博のようなところは、インバウンドのお客さんが多いので。今までのニセ基地局の被害のようにフィッシングのSMSが飛んでくる海外の方が多くなる。ジャミング(電波妨害)という話で、一般の日本人の携帯電話、スマホが使えなくなるということになるので。特に万博会場の場合は、現金を一切使えませんので、スマホ決済を利用する方は結構多いわけです。それが全く使えなくなると、大混乱になる可能性がある」
大阪・関西万博の入場トラブル
大阪・関西万博の入場トラブル

 先週開幕した大阪・関西万博で起こった入場トラブル。この時は、アクセスが集中したことなどが原因とみられていますが、今後ニセ基地局が大規模なイベントに現れた場合、混乱が引き起こされる可能性もあります。

 SNSの投稿がきっかけで浮上したニセ基地局問題。電波を所管する総務省は…。

村上誠一郎総務大臣
村上誠一郎総務大臣
村上誠一郎総務大臣
「投稿の内容の真偽も含め、個別具体的な内容については、回答を差し控えさせていただきます」
大手通信会社の回答
大手通信会社の回答

 番組が大手通信会社に取材したところ、「把握していて対応を進めています」「トラブルなどの報告はありません」など回答しています。

 森井名誉教授は、一部のスマホでは「海外旅行で使う2G回線を利用しない設定にする」といった対策も取れるといいます。

「まずは全部疑えと」
「まずは全部疑えと」
森井名誉教授
「SMS(ショートメッセージ)やメールでURLを開けと言っているところは大体フィッシングサイトなので。まずは全部疑えということです」

(「グッド!モーニング」2025年4月21日放送分より)

  • 違法な「ニセ基地局」の可能性
  • 3カ月にわたり都内の繁華街を調査
  • 「左のほうに扇風機」
  • 中国の銀行を名乗り不審なサイトに誘導
  • 中国語の不審なメール
  • 「大混乱になる可能性がある」
  • 大阪・関西万博の入場トラブル
  • 村上誠一郎総務大臣
  • 大手通信会社の回答
  • 「まずは全部疑えと」