備蓄米が流通し、次に気になるのは今年の新米の価格です。コメ農家を取材すると、猛暑と害虫に悲鳴を上げていました。
■備蓄米の流通広がる セブンでも
17日、小泉進次郎農林水産大臣はコメの流通の実態を正確に把握するため、およそ7万の事業者に対し、今月末時点の在庫などの報告を求めることを明らかにしました。
これは現行の流通制度となった2004年以降、初の試みです。
一方、備蓄米の流通は広がりを見せています。
セブン−イレブンでは、17日から2021年産の備蓄米を無洗米にして2キロ755円(税込み)で販売をスタート。多くの人が買い求めました。
※東京・大阪・四国の一部店舗で販売
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■新米ピンチ ジャンボタニシ活発化■新米ピンチ ジャンボタニシ活発化
そうしたなか、田植え直後の現場では、農家を悩ませる問題があります。
「この手前の方から、あちらの木の際の薄くなっているところがジャンボタニシに食害されたところになります」
所々、稲が全く生えていない田んぼ。千葉県山武郡のコメ農家を悩ませているのがスクミリンゴガイ、通称「ジャンボタニシ」です。
1981年に台湾から食用目的で輸入され、その後、野生化。現在35府県で発生が確認されていて、農水省と環境省は「侵略的外来種」に分類しています。
田植えから間もない、柔らかい稲を食べるジャンボタニシ。大きいものでは8センチを超えるサイズのものもいます。旺盛な食欲に加え、繁殖力の高さが農家を悩ませます。
「ここに卵がびっしりと」
稲の下に潜んでいたのは、無数のピンク色の卵。この粒1つずつからジャンボタニシが産まれます。
「(この田んぼで)600キロ〜700キロくらいのコメが収穫できるが、100キロくらいは食害でなくなっちゃったかな。3万円〜4万円くらいは売り上げとしては下がった」
駆除するための農薬代なども年間100万円以上になるということです。さらに近年、伊藤さんが心配しているのが異常な暑さです。
17日の千葉県山武郡横芝光町の気温は、今年最高となる33.5℃。暑い時期の到来が早まるにつれて、ジャンボタニシの動きが活発化しているといいます。
「毎年出る時期が早くなるのと、生息域がどんどん広がっている印象」
■暑くなると…カメムシ被害も
さらに暑くなると活発化する、他の生物もいます。
「草刈りしていると結構、カメムシは飛んでいますね。ここら辺はその2つ(ジャンボタニシとカメムシ)の被害が大きい」
多くの消費者に新米を届けたいと考えていますが、早くも今年の収穫量を心配しています。
「こういうふうになっちゃえば(田んぼ)1枚から取れる収穫量が減っていく。そうなると、どんどんちりも積もればという感じで全体的に収穫量が減ってくるのかなと」
(「グッド!モーニング」2025年6月18日放送分より)