旅行に行った際、「ちょっと邪魔だな」と思うこともあるスーツケースなどの荷物。そこで今、配送会社がこぞって始めているサービス“手ぶら観光”が注目されている。
■ロッカー荷物をホテルまで
旅行の際、スーツケースを持っていると移動や観光するのがとても大変。そんな悩みを解決する、新たなサービスが先月から始まった。一体、どんなサービスなのか?
やってきたのは、スカイツリーに直結する東京メトロの押上駅。コインロッカーにスーツケースとリュックを預け、いざ観光へ!
荷物の煩わしさから解放されて、食べ歩きも楽ちん!ひとしきり、手ぶら観光を楽しんだ後は再びロッカーへ…というのがこれまでだが、そうではなく、向かった先はなんとホテルだ。
実は、コインロッカーに荷物を預けると、ホテルに運んでくれるサービスなのだ。
午後2時までにロッカーに預け、東京エリアのおよそ500ものホテルから宿泊先を指定すると、夜7時までに配送してくれるというもの。
「東京を観光する外国人のお客様や、日本の人たちに東京を手ぶらで観光していただくためにこちらを導入しました」
値段は1900円から2800円。ロッカーのサイズによって異なり、2〜3個を目安に運んでくれる。
「東京メトロ駅構内に、20駅設置予定でございます」
■コンビニでも 気軽に国際発送
東京・浅草にある「ヤマト運輸」の営業所には、日本国内の旅行先に荷物を運んでほしいと、多くの外国人観光客がやってくる。
そんな外国人に向けた、新たなサービスを先月から始めた。
「訪日旅行客の皆さんが街中から日本で買ったものを(海外の)自宅まで直送で送れるサービスとなっております。移動中の荷物を減らすことで、地域住民の移動を妨げることがない。お買い物をエンジョイしていただけるので、それがますます地域の活性化にもつながるのではないかと考えています」
このサービスについて、外国人観光客はこう話す。
「スーツケースが2つの時もあって、中国に持って帰るのが大変なんです。すごく便利だと思います」
■国交省「手ぶら観光ロゴマーク」で促進
ヤマト運輸の海外の自宅に送ってくれるというサービスなど詳しく見ていく。
先月からヤマト運輸が始めた、コンビニなど国内およそ4万カ所から海外の自宅に荷物を配送する訪日客向けのサービス。
スマホを活用して宛名書きなどの作業を簡略化、通関手続きも代行するという。
料金は香港向けが6600円〜2万9200円、イギリス向けが1万4357円〜4万544円で、今後は台湾などにも拡大させる計画とのことだ。
他にも、三井不動産、JR東海、佐川急便の3社は1月から、三井不動産が運営する東京と京都・大阪のホテルの間で午前8時半から午前11時まで、それぞれのホテルで決められた時間までにフロントに荷物を預けると、その日のうちに配送するサービスを開始した。
東海道新幹線の空きスペースを使って運ぶそうで、料金は1万780円だ。
こうした“手ぶら観光”の有効性について、京都では実証実験が行われた。
国土交通省近畿運輸局などが2023年秋に京都市で行った実証実験では、臨時手荷物預かり所の利用者で「行動範囲が拡大した」と答えた日本人、外国人は共に95%。「観光地での滞在時間が増えた」人も87%と高い数字になっている。
また「消費額が増えた」と答えた人は、日本人が55%で外国人は67%だった。
世の中への認知はまだこれからだが、国交省では以前から「手ぶら観光ロゴマーク」で促進。荷物を抱えているマークが「一時預かり」、車輪がついたマークが「配送」サービスを表している。
このロゴマーク取得の条件には「英語による料金体系一覧の明示」や「英語での案内が可能」などいくつかあるが、審査が通れば案内標識などの多言語化への補助金が出るなどメリットもある。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年6月18日放送分より)