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2025年6月28日 17:00

物価高の駆け込み寺「金券ショップ」年間10万円節約も 115人大調査…人気活用術TOP3

2025年6月28日 17:00

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止まらない物価高で少しでも節約したい…そんな人々の駆け込み寺として再度注目されている「金券ショップ」を舞台に、115人に徹底調査しました。デジタル時代に、金券の魅力は?みなさんの“節約術”と“お金事情”を聞き込みました。

多い日には来店客数400人以上

物価高の救世主、金券ショップ。

金券歴20年という60代女性。ポーチの中には金券がぎっしり入っています。

「『まいばすけっと』で使えるイオンの商品券…普通には買わない、なんでも」

百貨店などで使える商品券から、スーパーの支払いに使えるカード、外食用まで、金券が続々と出てきます。

「いくらお得になったかメモしておく。1年通してつけたら10万円とかいっちゃう」
「(Q.1年で!?)はい」

日常の買い物を金券にすることで、年間10万円も節約できるとは驚きです。そして…。

「とにかく楽しい」

空前の物価高のなか、改めて注目される金券ショップ、今回は115人を大調査しました。人気の金券活用術ランキングも発表します。

舞台は、東京・池袋駅の地下街にある「J・market」。デジタル時代にもかかわらず、金券を求めて多い日には400人以上が訪れます。

来店客(50代)
「やはりお得感がある」
「普通に買うのがバカバカしくなっちゃう」

やはり今、「おこめ券」を求める人が多いといいますが、人気すぎて品薄だとか…。そんななか、50代の女性は…。

「最近おコメが高くて(埼玉県)和光市に安い店を見つけた。これで乗って遠出して安い食料品も買う」
東京メトロの24時間乗り放題の乗車券
東京メトロの24時間乗り放題の乗車券

なんと、おコメの買い出し用にと購入したのは、東京メトロの24時間乗り放題の乗車券。定価700円が100円引きに。全9路線がすべて乗り放題なので、安いお店をハシゴするのにピッタリだとか。

安いお店をハシゴ
安いお店をハシゴ
「(Q.電車で(おコメを)運ぶのは大変…)重たいものでも体力で乗り切っていくしかないかなと」

80代の男性が買ったのは、お孫さんへの贈り物。1万2000円分の図書カードが400円引きに。

「孫へのプレゼント。上の子は参考書、下の子は乗り物の本を買うみたい」
「(Q.結構奮発されましたね)自分では何も買えません」

年金生活は楽ではないといいますが、孫の喜ぶ顔が楽しみだといいます。

「(Q.お孫さんに太っ腹ですね)お世話になるから、そのうち。期待して」
「(Q.未来への投資)そういうことです」
金券が1週間分の食事代
金券が1週間分の食事代

50代の女性は、食事券1万500円分を一度に購入し、525円の割り引きに。それで何を食べるんですか?

「吉野家で定食はおかわり自由!大盛りを2杯は食べますから。体も大きいから恥ずかしい…」
自分へのごほうびと元気の源
自分へのごほうびと元気の源

介護の仕事をするという女性。実は、この金券が1週間分の食事代。お気に入りの外食が、自分へのごほうびと元気の源だといいます。

「(金券ショップは)第2のお財布とまではいかないけど、金券がなくなると食べ控え…(忙しくて)『カップラーメンでいいや』と…。生きることは食べること、食べることは生きること。賢くおいしいものを食べる」
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長い距離を乗るほどお得「私鉄の株主優待乗車証」

ここで、115人に聞いた、人気の金券活用術トップ3を発表。まず、第3位はお得感の高さが魅力の「乗車券」。

第3位は「乗車券」
第3位は「乗車券」
来店客(60代)
「交通費は毎日のことなので、バカにならない」

東京・京都間の新幹線チケットを購入したのは、60代の女性。

「旅行が久しぶりなので、ちょっとでも安く行けたら…」

往復で、840円の節約です。

浮いた800円は、お抹茶代に
浮いた800円は、お抹茶代に
「(Q.浮いた800円は何に?)多分、食べ物。おいしいもの食べます。800円じゃ、たいして買えないけど」

30年来の友人とコロナ禍以来、実に6年ぶりに再会。浮いた800円は、お抹茶代になりました。

さらに、多くの金券マニアが口にしたのが「私鉄の株主優待乗車証」です。

私鉄の株主優待乗車証
私鉄の株主優待乗車証
来店客(50代)
「普通に買うと1000円以上。片道分で往復できちゃう」
来店客(60代)
「小田急線の全区間乗れる。新宿から終点まで」
長い距離を乗るほどお得に
長い距離を乗るほどお得に

これ1枚で各社の始発駅から終点まで乗車が可能。つまり、長い距離を乗るほどお得になる片道切符なんです。

小田原に通う目的は?
小田原に通う目的は?

60代の女性は「これを知ったのは半年前。それまでは普通の運賃で行っていた、20年くらい」と、ちょっと悔しそう。2カ月に一度、小田原に通うこと20年以上…その目的は?

「子育てが終わったころから走り始めた。40歳を境に」

40歳でマラソンに目覚め、海外の大会にも挑戦。今も、小田原のクラブで走るのが楽しみ。

小田急線で新宿から小田原まで、通常910円かかる運賃が540円に。往復で740円の節約です。

浮いたお金は、ごほうびのビールに
浮いたお金は、ごほうびのビールに
「走り終わったら、おいしいビール飲むぞって」

浮いたお金はマラソン後のごほうびのビールに。おいしさも格別だとか。

こちらの男性も「株主優待乗車証」のヘビーユーザーです。

謎の物体の正体は?
謎の物体の正体は?
来店客(60代)
「毎月1回静岡に行っている。(私鉄の株主優待券を)買って小田急に、小田原から新幹線」

それにしても、毎月静岡に行く秘密が…バッグの中に入っている、謎の物体…。

「見ても『なんのこっちゃ?』でしょ」

その正体は…?

ドイツで発明されたオートハープの1種
ドイツで発明されたオートハープの1種

男性が演奏しているのは、ドイツで発明されたオートハープの1種。日本では珍しい演奏家だといい、静岡にある知り合いのライブハウスで月に一度、その音色を広めているんだとか。

来店客(60代)
「月に1回お墓参りに行くので、ちょっとでも節約したい」
在庫状況や有効期限によって価格は日替わり
在庫状況や有効期限によって価格は日替わり

毎月活用している女性からも、耳寄り情報が聞けました。

「いっぱい在庫があると値下がり」

在庫状況や有効期限によって価格は日替わり。かなり上下するので、こまめにチェックするのが吉です。

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「ギフト券」シニア世代へのプレゼントにも人気

金券ショップ115人調査、人気の活用術トップ3。第2位は「金券」をプレゼントとして活用。

シニア世代へのプレゼントに、「ギフト券」も人気
シニア世代へのプレゼントに、「ギフト券」も人気
来店客(70代)
「友だちの誕生日プレゼント」
来店客(70代)
「いろいろなところで使えて、好きなものが買える。年齢的にだんだん“断捨離”して終活していく段階。一番これが手っ取り早いかなと」

シニア世代へのプレゼントに、今人気なのが様々な「ギフト券」。

来店客(50代)
「QUOカードありますか?」
店員
「QUOカードはプレゼント用?」
来店客(50代)
「はい」
店員
「いくらの額面?」
来店客(50代)
「1万円のがほしい」
店員
「9900円になりますね」
来店客(50代)
「はい」
来店客(50代)
「コンビニによく行くと言っていた。父にプレゼント」

50代の女性は、お父さんにQUOカード。誕生日のプレゼントです。

プレゼントされたが利用していない理由
プレゼントされたが利用していない理由
父・ヨシヒロさん(82)
「82だよ」

コンビニで好きなものが買えるのが便利と選んだ、QUOカードですが…。

父・ヨシヒロさん
「これ何?」
女性
「これQUOカード」
父・ヨシヒロさん
「QUOカード?」
女性
「コンビニで買うじゃん、これ。これと一緒にQUOカードでお願いしますって」

あれ?なんだか、よく分かっていない様子…。

プレゼントから3週間。お父さんはもったいないと、まだお財布にしまっているそうです。

お母さんに感謝の気持ちのプレゼント
お母さんに感謝の気持ちのプレゼント

こちらの男性が買ったのは、缶ビール2本と引き換えられるギフト券を5枚。聞くと、まだ19歳の大学生といいますが…。

来店客(19)
「母にプレゼントしたくてビール券を買った。母はお酒が好きで料理している時もよく飲んでいる」

いつも忙しく、好きなお酒もゆっくり楽しむ暇がないお母さんに感謝の気持ちのプレゼント。

来店客(19)
「未成年でお酒は買えないので、ビール券を渡そうかなと」

お母さん、喜んでくれるといいですね。

花が大好きだった母に、絶やすことなく供え続けている父へのギフト券
花が大好きだった母に、絶やすことなく供え続けている父へのギフト券
来店客(40代)
「お花券って…?」
店員
「『花とみどり』ありますよ」

40代の男性が買ったのは、お花のギフト券。お花に限られますが、5000円分が1250円引きとかなりお得。

来店客(40代)
「あす父の日。うちは母が亡くなっていて、父がいつも実家の仏壇にお花を…。行きつけのお花屋さんで買っているので」

お花が大好きだった母に、お花を絶やすことなく供え続けているお父さんへのギフト券。

来店客(40代)
「生前はバラとか季節の花。夏はヒマワリも好きだと」

今年もヒマワリを飾れる日が待ち遠しいですね。

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“金券ショッピングの1日”に同行

金券ショップ115人調査、人気の活用術トップ3。第1位は「商品券」です。

第1位は「商品券」
第1位は「商品券」
来店客(60代)
「クレジットカードのポイント還元より安い金券を買ったほうが良い」
来店客(50代)
「どこでも使えて良いかなと。使い勝手が良いので」

商品券を使っての生活費の節約。デパートからスーパー、量販店など幅広く使えるので生活防衛にも役立ちます。

この日出会った、50代のミチコさん。その手には、商品券の束がありました。

金券マニアのミチコさん
金券マニアのミチコさん
ミチコさん
「『アレとアレとアレを買うから、どの商品券が得だ』という感じで買い物」

金券歴は15年。毎月、10万円は金券で買い物するという金券マニアです。

「デジタルに反しているけど、やっぱり喜びがある。現金が手元に『こんなに来た〜!』と見るとうれしい」

そこで後日、“金券ショッピングの1日”に同行させていただくことに。

「もうリストアップしてきている…」

安い店をハシゴするため、商品券を使い分け。さらに、このメモは…。

メモも持参
メモも持参
「こういうことをしないと『これ買いたいな』と。あっという間にお金を使ってしまう」
「(Q.これ以外は?)買わない」

スーパーでは1週間分の食料品。その他、ホームセンターでは2カ月分の日用消耗品をお買い上げ。

そしてこの日、最大のお目当ては「ドッグフード」。ミチコさんは、2匹のワンちゃんを飼っています。

2匹のワンちゃんを飼っている
2匹のワンちゃんを飼っている
「餌(えさ)代で月に3万円使っています」
「(Q.結構な出費…)癒やしをもらっているのでしょうがないと…」

この日は1万3000円分のドッグフードを商品券でご購入。

3軒のお店で買い物し、合計4万2760円をお支払い。この日は商品券を使うことで、1972円の節約になりました。

ミチコさんの“お楽しみ”
ミチコさんの“お楽しみ”
「(おつりが)ジャラジャラ返ってきました」
「小銭大好きなので」

そんな金券生活を送るミチコさんの“お楽しみ”が、このお釣りの小銭。

「いつも貯金箱に小銭貯金しています」

小銭もチリもつもれば、年に一度の豪華ディナーに!

「小銭貯金こんなにたまりました。12月に開けるのが楽しみ」
長年助けてくれた相棒のカート
長年助けてくれた相棒のカート

年金生活の80代の女性は、5万円分の商品券を550円引きでご購入。この日は大切な買い物があるといいます。

来店客(80代)
「これ杖代わりに持っているけど、杖代わりに使っちゃいけない…。だから杖代わりになるのを探しに」

それが、長年助けてくれた相棒のカート。

来店客(80代)
「腰・ひざ・足裏が悪いものですから。ヨタヨタと歩いております。達者なのは口だけでございます」

大切な物を買う時は、必ず金券ショップに。それも楽しみだとか。

来店客(80代)
「(Q.金券ショップはどんな存在?)唯一金銭的な潤いをもたらしてくださるところ。稼ぎのない人間ですから、倹約することぐらいしかできません。楽しみでもあります」

長く使える相棒、無事に見つかるといいですね。

金券ショップは、きょうも誰かにささやかな喜びを生んでいるようです。

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