3つの人気チェーンが仕掛ける新業態。おいしくて安い!お弁当やお総菜が魅力のスーパーや、ダイナミックな陳列で効率化を図るスーパー、特別な体験ができるスーパーも!人気チェーンが仕掛ける新たな一手を追跡しました。
衝撃!199円の弁当も
「ここが一番安い。(買い物は)ここって決めてます」
埼玉県戸田市にある「マミープラス」。皆さんご存じですか?近年増加している、話題の“激安スーパー”なんです。
「安いココ」
「他のお店と比べると全然違う」
この日は税込み1袋64円のニラが特売。他にもキャベツが106円。ミニトマトが192円。生鮮食品以外も安いといいます。
「安くてよく買うのが、納豆と豆腐」
納豆は3個入りパックで64円。豆腐は42円。206円の牛乳は一日におよそ500本も売れるといいます。
この激安スーパーが目指すのは?
「地域一番の圧倒的な低価格」
“地域最安値”を目指しているというマミープラス。3年前に誕生し、現在14店舗にまで増えています。
実はマミープラスは、ある人気スーパーから生まれました。1959年に埼玉県で創業した「マミーマート」です。現在はグループ店含めて83店舗を展開しています。
「お惣菜も豊富だし、お弁当も手作りでおいしい」
こちらは弁当と総菜が充実。全国のスーパーを対象にしたコンテストで12年連続受賞しています。
そんなマミーマートが、より幅広い客層を取り込むために生み出した新業態がマミープラスです。
「すごくおいしそうで目移りしている」
「マミープラス」もお弁当と総菜が充実。およそ200種類が並びます。ここに売り切れ必至の激安弁当があります。
「222円(税抜き)で安い。おコメも高いので」
お弁当コーナーは税別222円。一番人気は「鶏天タルタル弁当」。鶏天は店内で揚げています。塩ダレで下味をつけた国産鶏のむね肉を、カツオだし風味のてんぷら粉につけて揚げています。
「ボリュームがある。一つが大きい。やわらかいので食べやすい」
40食分あった弁当は瞬く間に売り切れになりました。
「この辺のスーパー全部まわっている。ココが一番安い」
「お気に入りはカツカレー399円(税抜き)。よそで買ったら450円〜500円」
さらに衝撃価格のお弁当もありました。
「コレ199円(税抜き)」
きんぴらとちくわの磯部揚げを盛り合わせた激安弁当。2種類のカニカマがたっぷり入ったお弁当も、215円と激安です。
年金暮らしの60代の男性は、息子2人と3人暮らしです。
「子どもがいつでも食べられるように、パンとおにぎりは必ず1個ずつ買う。家に置いておく」
おにぎりも、今どきない激安価格。7種類の味が楽しめます。
一体どうやって安さを実現しているのでしょうか?その秘密が、牛乳売り場にあるといいます。
「(牛乳が)反対側にも入っている。グルッと回すと満タンの状況に」
牛乳がなくなっても、わざわざ並べる必要がないんです。さらに、商品の運搬に使う“カゴ車”も、商品棚としてそのまま利用しています。
「キレイに陳列しようと思えば、5分〜10分かかるが、1分足らず」
この激安スーパーでは、作業を効率化。半分のスタッフで営業が可能なため、大幅なコストの削減を実現しています。
そして、ペットボトルの飲み物はダンボールに入ったまま販売。冷蔵機器を少なくして価格に反映しているのです。
「最終的には地域で一番支持されるお店になりたい」
バナナ売り場に安さのヒミツ?
所変わって、1世紀の歴史をもつ老舗スーパー「ヤオコー」。1890年に埼玉県で八百屋として産声を上げ、現在は関東に197店舗を展開。その歴史から生鮮食品が充実しています。
そんなヤオコーも、新業態のスーパーを誕生させています。
「野菜が新鮮で安い」
4年前に生まれた新たなスーパー「フーコット」。こちらは東京の昭島店。現在、関東で5店舗が営業しています。売り場面積は4500平方メートル。全国平均の3倍以上もあります。
「広さがあって、見やすいし買いやすい」
ここで目を疑う光景が…。横幅6メートル、7段の棚に、およそ900袋のバナナが陳列されています。8種類106円からです。
「選び放題」
「これだけ品数がある所は少ない。助かる」
野菜売り場もダイナミックでした。キュウリはおよそ1000本を陳列。値段は1本42円。キャベツはおよそ600玉。1玉106円です。
常連だという70代の女性。オススメはニンジンです。
ジャガイモは1袋139円。
「(Q.パイナップル?)他は450円とか。すごく甘くて299円(税抜き)」
フーコットのコンセプトは「圧倒的な安さと鮮度、品ぞろえで満足できるスーパーマーケット」です。
「(他店より)3〜4割安いと思う。だいぶ違う」
週5で来るという近所の家族。手に取ったのは国産豚バラ肉です。その夜、お父さんが作ったのは特製ラーメン。1人前150円程でできました。
「おいしい」
妻
「おいしいです」
一体どうやって安さを実現しているのでしょうか?3つの秘密がありました。
1つ目は、あの巨大バナナ売り場です。オープン前、1人のスタッフが1時間かけて、およそ900袋のバナナを並べていました。野菜もおよそ1000本のキュウリを一気に並べます。
そして、午前10時にオープンすると、品出しを終えたスタッフが帰宅します。
「オープン前後に約5割のスタッフがあがる」
オープン前にほぼすべての品出しを終えることで、営業中は最小限のスタッフで対応することができるといいます。
2つ目の安さの秘密は?
「いつも安い。その代わり広告がない。だから来ないと(特売)分からない」
このスーパーは、チラシはもちろんポスターなどがほとんどありません。
「お店で作ることがないので、コストの削減になっている」
安さの秘密3つ目は?
「(Q.閉店?)閉店になった」
「(Q.(閉店時間は)何時?)午後7時」
このスーパーの営業時間は午前10時から午後7時まで。光熱費などを抑え、価格に反映させていたんです。
スーパーに…会員限定のラウンジ!?
茨城県つくば市には、特別な体験ができるスーパーがあります。3年前にオープンした「ブランデ」です。
ワンランク上のサービスが受けられるというこのスーパー。店内の2階に人気の秘密が。まるで空港のようなラウンジがあるんです。
「席に座りながら筑波山が見られるので良い」
実はここ、年会費5000円のゴールド会員になるとラウンジが利用できるんです。
しかも、セルフサービスのコーヒーは、一日1杯、無料です。来店するごとにコーヒーが飲め、会員ならワインの試飲サービスもあります。
さらに、会員には年2回季節の花が贈られます。誕生日には2000円分のポイントが付与。そして、商品をネットスーパーで購入した場合、配送料が無料になるんです。
「やっぱり重たいモノ。水とかペットボトルとか。すごく助かっている」
ブランデを立ち上げたのは、1961年に茨城県で創業したスーパー「カスミ」です。現在、関東に197店舗を展開しています。カスミもイートインスペースが充実しています。
「近隣のスーパーで広くてキレイな食べられる所がないので、魅力的」
そんなカスミの新業態スーパーがブランデ。現在4店舗が営業しています。
「デパ地下みたいなメニューがそろっている」
突然ですが問題。この野菜、皆さん知っていますか?正解は…大阪のブランド「ナス」なんです。こちらでは、珍しい食材も手に入るんです。
焼き鳥も自慢。冷凍じゃありません!厳選した国産鶏を、専用の焼き台で丁寧に1本1本仕上げています。さらに…。
「おすし、海鮮がすごくおいしい」
すしを握るのは、この道25年の職人さん。スーパーで本格的なにぎりが味わえるんです。
「北海道から九州まで、いろんな魚を取り扱っている。魚をまるごと店内でおろしている。専門店と変わらないクオリティー」
さらに、全国各地の鮮魚が手に入ります。この日の朝、長崎県でとれたばかりの魚が。アジは1尾324円。
「東北とか北陸とか、いろいろな所の魚を取り寄せている。きょうは長崎の直送って聞いて買いに来た」
男性はブランデの鮮魚に感激し、わざわざ近くに引っ越してきたといいます。
「甘みがあって本当においしい」
スーパーマーケット戦国時代。人気チェーンが仕掛ける新たな一手が新時代を切り開くかもしれません。