刑務所の中で採用活動を行い、官民連携で出所者の社会復帰を支えるプロジェクトがある。闇バイトに加担した過去を持ち、この制度を利用して就職した2人を取材した。
元受刑者を自立支援する制度
お好み焼きチェーン「千房」。社員として働くAさん(28)は闇バイトに加担し、詐欺と窃盗の罪で3年間服役した過去を持つ。犯罪に手を染めた理由は何だったのか?
専門学校入学を機に青森から上京したAさん。就職するもコロナ禍で職を失い生活に行き詰まり、SNSで闇バイトに応募したという。
「(Q.捕まった時は)パニックになっていたので、あまりよく覚えていないです。警察の人に話し掛けられた瞬間、諦めて全部自分から言いました」
刑務所に入ってから両親などとの関係が悪くなり、人生を諦めていたというAさん。そんな時、刑務所の中で立ち直るきっかけに出会った。
「(Q.刑務所の中で面接をしていたのか?)そうです」
「服役中に内定」職親プロジェクト
2013年から始まった「職親プロジェクト」。企業が「職の親」となり、出所者の社会復帰や自立を支える取り組みだ。
このプロジェクトを立ち上げたのは、「千房」の創業者・中井政嗣会長。会長はそれより前の2009年から、すでに出所者を採用していた。
出所者の採用を全国に広めるため、法務省や日本財団の協力も得てプロジェクトは運営されている。現在、全国で830の企業が登録されていて、これまでの総雇用数は1476人に上る。
「千房」に採用された出所者たちは皆、犯罪歴を隠すことなく働いている。特別扱いは一切ない。Aさんはこう話す。
「(Q.普通の同僚として扱ってくれたか?)もうむしろ早くレジ覚えなさいぐらいのバンバン仕事を教えられて」
「千房」で働き始めてまもなく2年になる。Aさんの働きぶりを店長はこう評価している。
出所者だけに会長の携帯番号を共有
「千房」大阪千日駅前店では、「職親プロジェクト」で先月就職し、出所したばかりの男性・Bさん(42)も働いている。
「(Q.働いてみてどうか?)家族感があるというか、温かみ、思いやり、そのようなものをすごく感じた」
「千房」は採用した出所者たちに仕事だけでなく、住む場所や食事も提供している。仕事を始める際には、一般の社員には知らされていない中井会長の携帯番号を出所者だけに教えているのだという。
これまでに69人の出所者を雇用してきた「千房」。現在、全国で7人が働いているが、ほとんどの人は転職や独立を選択。中井会長はこれが自立の証だと喜ぶ。
過去は変えられなくても、未来は変えられる
過去は変えられなくても、未来は変えられると、中井会長は語る。
居場所を見つけて生きる自信を取り戻したAさんは被害者への弁済を終えた今、未来に向けて、さらなる一歩を踏み出そうとしている。
罪を償う間、待っていてくれた男性と婚姻届けを提出したAさん。縁起をかついで令和7年7月7日と、7が並ぶ日を選んだという。さらに…。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年7月10日放送分より)











