「今年は新米が高い」というニュースをお伝えしてきましたが、その新米を安く買える場所を見つけました。
新米安く買える場所は?
都心から車で約1時間半、茨城県潮来市にある道の駅では、新米がズラリと積まれています。値段は5キロで4200円。4000円を上回る価格でも、お客さんの反応は上々です。
それもそのはず、最新のコメの平均価格は過去3年間で最大の上げ幅となり、2週間ぶりに値上がりしています。実際に、スーパーマーケットや精米店では、その銘柄米の平均価格を超える4000円台半ば、それ以上の価格でも新米が売られています。
そんななか農水省は、当初今月末としていた随意契約による備蓄米の販売期限の延長を決めました。
「今(コメの)価格の状況も上がったり下がったり、少し踊り場のような状況にもなっていますので、早場米・新米に対する概算金の出方、こういったものも少し様子を見る必要があるだろうなと思います」
さらに、今年の記録的な「猛暑」と「水不足」の影響もあり、新米価格の先行きは不透明な状況が続きそうです。
高騰の新米。安く買える場所はあるのでしょうか?
「新米は食べたいけど高くて手が出ない」そんな思いを抱く人も多いはず。そこで、新米を安く買える場所を探してみました。
21日、新米が5キロ4200円で売られていた茨城県の道の駅では、玄米が10キロで6900円。精米するとおよそ1割減るため、5キロに換算すると、3833円ほどとなります。
「皆にあげるの、少しずつ」
「一番星」の評判を聞きつけやってきたという80代の夫婦も、さらに安い新米を発見。
考えた末、お得な玄米10キロも購入しました。
しかも、買った玄米は無料で精米も可能。80代の夫婦は、最終的に18キロ分の新米を購入しました。
「(Q.満足ですか?)満足です」
どうして、5キロ3000円台を実現できるのでしょうか?その秘訣は、「一番星」という品種にありました。
「茨城県独自で開発し、潮来市で先取りということで。粒が大きく甘みがあるおいしいおコメ。玄米を購入した際は無料で精米している」
今年は平年通りの豊作だという「一番星」は、茨城県が研究開発し、潮来市を中心に実用化された品種です。すべて地元でとれるおコメのため、輸送費のコストを各段に抑えることができます。
また、今年から玄米10キロでの販売を始めたことで、精米などにかかる費用も削減、より安い価格が実現できたのだといいます。
「これ食べてみて『一番星』のおにぎり」
1個120円の塩むすびで、新米の味を確かめてから買うこともできます。
道の駅の中にあるレストランでは、好きなおかずに250円の「ごはんとみそ汁」を付ければ、1000円かからず新米ランチを楽しめます。大盛りも無料です。
新米5キロ3780円 農家が決める“値段”
少しでも安いおコメを探してやってきたのは、千葉県白子町の農産物直売所です。
都心から車で1時間ほどの場所にありました。21日に入ったばかりの新米が、3780円で売られています。
確かに、5キロ3780円。白米でこの値段です。
地元で収穫したばかりの「あきたこまち」。他にも、千葉県が独自に育成した早生品種「ふさおとめ」も同じ3780円。
「安いですよ」
「(Q.きょう入荷したばかり)だからびっくりしている」
「『あきたこまち』スーパーでは4500円とか、もっと高かった。安い」
「買っていく?一つ買っていきましょう」
4000円を大きく下回る価格は、どうして実現できるのでしょうか?その答えは…。
「農家さんが(値段を)決めている」
「(Q.他よりも安い)ちょっと安いですよ」
取材中も、直売所には農家の姿が…。そう、直売所の会員農家が、自ら持ち込んだ農作物の価格を決める仕組みです。
「去年はいくらで出していたか、スーパーで今どれくらいの値段で出しているかを見て、他の生産者の動向を見て値段を決めている」
全国で高騰する「概算金」も価格を決める基準になるといいますが、農家が自ら値段を決めることで、独自の価格競争につながっているのです。
もちろん、農家からの“距離の近さ”も直売所ならではの強み。
「生産者からお店、直で卸してもらえる。そこが安さの理由」
JAや卸売り業者を介さないことで、流通にかかるコストを削減。安さを実現できる理由の一つになっています。
「まだ出始めなので毎日今のところこの量(14袋)くらい。9月に入って稲刈りも終わって落ち着いてきたら(販売する)生産者も増えるし量も増える」
もちろん数量にも限りがあり、その時も同じ価格設定になるかは分かりませんが、地産地消の「道の駅」や「直売所」に行けば、思わぬ掘り出しものに出会えるかもしれません。