9月の値上げも1000品目を超えるなど物価高が生活を直撃しています。そこで「生活防衛術」、フードロスを減らすと電気代もお得になる法則を専門家に教えてもらいました。
効率的なスーパーの歩き方
「(Q.買い物金額は?)1万2000円くらい」
「物価上がっている。前は1万円でおさまっていた」
来月も冷凍食品をはじめ、1235品目の値上げが予定されています。物価高はこの先も続く見通しです。
「電気代高くなるって聞く」
家計を守るには、どうすればいいのでしょうか?
「家計の防衛術は、とにかく無駄を減らすこと。特に食費と光熱費、この2つを抑えるだけで誰でも無駄を減らすことができます」
節約のプロがおすすめする防衛術は、食費と光熱費のムダを減らすこと。まずは食費のポイントから。
「野菜の食品ロスを極力なくすことで、かなり食費の節約につながってきます。スーパーの順番通りに買うのではなく、買い方もすごく重要」
食品棚の配置が、家計に思わぬ影響を与えているといいます。
実際、都内のスーパーで棚の配置を見てみると、まず入り口のそばに野菜…その先に魚や肉。そして最後にレジです。
「特に野菜の場合は店頭に安い特売品があることによって、買い物に来た瞬間に購買意欲がポンッと上がる」
特売の野菜は買いやすく、25日はレンコン1袋が170円。ニンジンは3本で138円でした。
客は、順路に沿って買い物を進める様子が目立ちます。
一見、普通の買い物ですが、他のスーパーでも見られる、この順路にポイントがあると指摘します。
「例えばモヤシが安かったからモヤシを入れた。ブロッコリーも。その後、肉売り場・魚売り場で豚ロースが安かった。じゃあ、きょうはトンカツにしようと思ったらキャベツの千切りがいる。最初にカゴに入れていたモヤシとかブロッコリーが使い切れるのか」
ついつい特売の野菜をたくさんカゴに…でも、その後メインの肉や魚が決まっても、野菜を戻さなければ、ムダになってしまうといいます。
「お買い得もいいんだけど、冷蔵庫に入れても日持ちしない」
では、どうすればいいのでしょうか?
「最初から野菜を買うのではなく、メインを決めてから野菜(売り場)に戻ったほうが無駄買いが少なくなる。野菜は適当に買わずに考えて買わなきゃいけない」
魚や肉の棚で献立を決めてから、必要な野菜だけを買う。この順番が節約のコツです。
フードロスは年間1人あたり3万円以上に上ります。
「1袋30円とか40円とかの目安なら、とりあえず安いから買っておこうと。それで無駄にするのはちりつもで、無駄が重なっていく。極力そこをなくしていくのが重要」
エアコン代「節約のカギ」
続いて、「光熱費」のムダを抑える方法。
「やっぱりずっとエアコンとか今暑いからずっと一日使っている。もう冷蔵庫もずっとつけっぱなしだから」
「家にいる時は設定温度高めにしたり涼しくなったら(電源を)切ってみたり」
光熱費を気にして、電化製品の使用時間を減らす人が多いですが…。
「光熱費を節約するにあたっては、使用時間を短くすることも考えられますが、一番重要なのは『使用する環境を整える』こと」
この暑い時期に欠かせない「エアコン」も、重要なのは「部屋の環境」です。
「一番外気の影響を大きく受ける部分というのは窓なので、窓からとにかく外の熱気を入れさせないことが必要」
レースカーテンを閉めた状態で部屋の温度上昇をシミュレーションした映像です。窓部分が真っ赤に色づいていて、その周りから徐々にオレンジ色が広がっていくのが分かります。
「窓自体に日射が当たっている状態だと、そこが熱源となって部屋が暑くなる。(窓の)外側によしず、すだれ、日よけタープなどで日をよけてあげて窓に熱が当たらないようにする。室温を上げないようにすることで、(エアコンの)設定温度を控えめにすることができて節電につながる」
冷蔵庫「詰め込み厳禁」 冷凍庫は?
冷蔵庫や冷凍庫などの、止めることができない電化製品も環境を整えることが重要だといいます。
「冷凍室は空間が開いているほうが冷気が逃げやすくなるので、冷凍室はたくさん物を入れておいたほうが節電になります」
実は、冷凍庫は物を詰めたほうが電力を抑えられて節約になるそう。
「冷蔵室はファンで冷気を回している。その冷気がうまく循環しなくなると余計な電力がかかってしまう。大量にモノを詰めすぎている状態だと余計な電力がかかってしまう。中に入れるものをきちんと整理して、あまりたくさん詰めすぎないことが大切」
「えー!そうなんだ。逆なんですね、良いこと聞いた」
フードロスを防ぐ無駄のない買い方が、結果的に光熱費の節約にもつながっているんです。でも、これだけではありません。
プロが伝授“チラシの法則”
節約は買い物に行く前から始まっているんです。
「スーパーのチラシを見てください。特に安い商品は決まった場所に書かれている」
スーパーのチラシには、節約に欠かせない、ある法則が隠されているといいます。
「一番左上からZのような形で視線が動く。そこに書いているものは、かなりお買い得の可能性が高い」
Zの法則とは、チラシを見る時、目線が左上、右上、左下、右下と、Zの形に動く傾向があるというもの。
埼玉県のスーパーでも、この法則が生かされていました。
「自然とZみたいな形で客の目線がずれていく。左上は一番最初にインパクトあるもの。自然と右に視点が流れるので(左上は)本日のイチ推しになっている」
チラシの左上には1パック169円のたまごが…。
「インパクトある価格のものは赤字でもいいと思い作っている」
さらに、チラシより安くなることも…。
「国産の豚肉が109円(税抜き)で広告に載せているけど、販売は99円(税抜き)で、広告よりさらに安く販売」
チラシができるまでに、2週間ほどかかるため、その間に商品の相場が下がると、チラシより安くなるといいます。
チラシと店頭の両方をチェックして、賢く買い物するのが節約のコツです。
















