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コメの流通価格の指標となる『概算金』。これは各地の農協が生産者に払う前払い金で、過去最高となる銘柄が続出しました。新米が出回っても、小売価格は高止まりしたままかもしれません。
JA“概算金”過去最高額も
田畑に甚大な被害が出た鹿児島県霧島市。視察に訪れた小泉農水大臣はコメ農家を前に。
小泉進次郎農水大臣
「財政面で営農意欲がそがれないように、しっかりと後押しを進めていきたい。特に最近、私が取り組んでいるおコメについても」
「財政面で営農意欲がそがれないように、しっかりと後押しを進めていきたい。特に最近、私が取り組んでいるおコメについても」
おコメを取り巻く状況が日々動く中、25日最大のトピックは概算金でした。農家にとっては朗報です。
小泉進次郎農水大臣
「今までと比べたらかなり高い概算金が出ている。受け止めとして、農家はこれでようやく報われたと。そう思っている農家は間違いなくホッとして次につながると思っている」
「今までと比べたらかなり高い概算金が出ている。受け止めとして、農家はこれでようやく報われたと。そう思っている農家は間違いなくホッとして次につながると思っている」
概算金とは、JAが流通価格を予測し、農家におコメ代を前払いする制度です。その額が過去最高となる銘柄が続出しました。
新米の1等米、60キロあたりの上げ幅で見てみると、新潟産の『コシヒカリ』は前年当初比で1万3000円のプラス。北海道の『ゆめぴりか』で1万2500円プラスといった具合でした。JAは米の流通の4割を担っているので、その影響は少なくありません。
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コメ農家“収入増”も不安は尽きず
新潟県見附市の岩渕さんは息子と従業員の4人で、30ヘクタールの田んぼで毎年150トンの米を作り、そのうちの6割をJAに出荷しています。
コメ農家 岩渕忠男さん
「息子の給料が払える。今までは我慢してもらっていた。安すぎたので経営が継続できるか非常に不安だった」
「息子の給料が払える。今までは我慢してもらっていた。安すぎたので経営が継続できるか非常に不安だった」
概算金の値上げにより、息子に給料を払い、設備投資にも回せそうです。
コメ農家 岩渕忠男さん
「本来なら雨漏りしていれば直さないとだめだけど我慢してきた」
「本来なら雨漏りしていれば直さないとだめだけど我慢してきた」
うれしい一方で不安も。望んでいるのは概算金の安定でした。
コメ農家 岩渕忠男さん
「今年みたいに急激に高くなるのはちょっと不安がある。今まで必ず高くなると安くなったことが続いてきたので。高くなれば消費者が買う回数が少なくなったり、数量が減ったりするので、あまり高くない方がいい。安ければいいかというと、安いと私たちの生活が困るので、その辺のところでジレンマがある」
「今年みたいに急激に高くなるのはちょっと不安がある。今まで必ず高くなると安くなったことが続いてきたので。高くなれば消費者が買う回数が少なくなったり、数量が減ったりするので、あまり高くない方がいい。安ければいいかというと、安いと私たちの生活が困るので、その辺のところでジレンマがある」
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コメ平均価格 2週連続値上がり
安定を望んでいるのは消費者も同じです。値上げされた概算金をそのまま価格に転嫁されると仮定して、概算金が去年より1万円高いと、5キロの新米小売価格は少なくとも1000円程度、値上がりします。
25日に発表されたコメ価格平均は、5キロあたりで67円の上昇となりました。新米の価格も高止まりが予想されています。
小泉進次郎農水大臣
「あまりにコメが高いと、高い関税を乗り越えてもなお民間の輸入で海外のコメが入ってくる。去年とくらべて120倍。今後も価格動向を注視して、対応できるところは対応していかないといけない」
「あまりにコメが高いと、高い関税を乗り越えてもなお民間の輸入で海外のコメが入ってくる。去年とくらべて120倍。今後も価格動向を注視して、対応できるところは対応していかないといけない」
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