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これから旬を迎える秋サケに異変が起きています。初競りで過去10年で最も高い値がつき、イクラや筋子の価格にも影響が及びそうです。
秋サケ「過去最低水揚げか」
港に帰ってきた1隻の漁船。カゴの中には、銀色に輝く魚が入っています。これからが旬の秋サケです。
北海道では2日から水揚げが始まりました。
札幌市で行われた初セリでは「11万1134円」と、過去10年で最も高い値が付きました。去年の初日の最高値よりおよそ2万2000円も高くなりました。
最高値をつけた日の出本田水産 眞下治次長
「過去最低の水揚げ予想と言われているので」
「過去最低の水揚げ予想と言われているので」
日本人の秋の味覚として愛されるサケですが、年々漁獲数が減っています。ピークだった2003年は5000万匹を超えましたが、現在漁獲数はおよそ1500万匹と3分の1以下に激減しています。
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イクラ高騰「筋子から作る」
サケから取れるイクラにも、不漁の波が押し寄せています。
見せてもらったのは、キラキラと宝石のように光るイクラ。すしやおつまみで楽しむことができるのですが…。
田無漁港直売所 早津茂久社長
「価格高騰ですよね。サケが取れてない」
「価格高騰ですよね。サケが取れてない」
あまりにもイクラが高すぎるため、来月から筋子を買って自分たちでイクラを作ることにしました。
しかし、秋サケの時期しか筋子は出回らず、その他の時期は高いイクラを仕入れるしかありません。
来年からはイクラを使った商品を値上げせざるを得ないといいます。
客
「普段なかなか食べれなくなるのが、ちょっと気になりますね。子どもがイクラ好きなので、食べさせたいなと思う」
「普段なかなか食べれなくなるのが、ちょっと気になりますね。子どもがイクラ好きなので、食べさせたいなと思う」
早津社長
「他の店で言ったら量を減らすとか、色々やるかもしれないが、うちとしては値段を上げる。口の中にプチプチと広がるあの瞬間がたまらないので、あれはやっぱり楽しんでほしい」
「他の店で言ったら量を減らすとか、色々やるかもしれないが、うちとしては値段を上げる。口の中にプチプチと広がるあの瞬間がたまらないので、あれはやっぱり楽しんでほしい」
専門家は、不漁の原因をサケの成長不足と考えています。近年の海水温の上昇で、サケの餌(えさ)であるプランクトンが小型で栄養の少ないものに変わったため、エサを食べても大きくなれず成長に影響が出ているといいます。
サケは好む冷たい水を求めて北上しますが、成長しきっていないため、北の海にたどり着く力がない稚魚が増えているといいます。
水産研究・教育機構 佐藤俊平資源生態部長
「基本的にサケは冷水性の魚で冷たい水温を好みますので、今の高水温の状況はサケにとって非常に厳しい状況であることは間違いないと思います」
「基本的にサケは冷水性の魚で冷たい水温を好みますので、今の高水温の状況はサケにとって非常に厳しい状況であることは間違いないと思います」
(「グッド!モーニング」2025年9月4日放送分より)
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