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田んぼに忍び込んでいるのはシカの群れです。近年増加する食害が、新米の収穫に深刻なダメージを与えています。
シカ被害拡大 個体数9倍
暗闇のなか、田んぼを歩く茶色い影…シカです。今月撮影された映像で確認できるだけでも10頭近くいます。
繰り返し現れるシカが狙っているものが、まさにこれから本番を迎える新米です。
兵庫県南西部に位置する太子町。至る所で、収穫へ向けたコメ作りが行われている町で目立つものが、動物よけのネットです。コメ農家の男性を取材すると…。
コメ農家(70代)
「シカの足跡。爪の跡があるでしょ。これ、シカの足跡」
「シカの足跡。爪の跡があるでしょ。これ、シカの足跡」
水分を含んだ田んぼには、足跡がくっきりと残っています。
コメ農家
「この辺の田んぼは食べられている。穂が実ったら」
「この辺の田んぼは食べられている。穂が実ったら」
さらに、別の場所では…。
太子町 担当者
「こちらの農地です。元々はコメが作られていた」
「こちらの農地です。元々はコメが作られていた」
田んぼに不自然にあいたスペース。今月に入り、シカが稲を食べに田んぼに現れ、その際に防護用ネットにかかり暴れたため、ここまで被害が大きくなりました。
環境省によると、全国のニホンジカの推定個体数(中央値)は、約40年前に比べ9倍に増えています。
餌(えさ)場となる放棄された畑の増加や、ハンターの高齢化などの要因が重なり、数を増やしているといいます。
太子町 産業経済課 栗岡秀成課長
「シカが増えて困るなかで、農作物の被害を軽減するためにも、予算を考えながら駆除しているというのが現状」
「シカが増えて困るなかで、農作物の被害を軽減するためにも、予算を考えながら駆除しているというのが現状」
町も頭を悩ませます。
栗岡課長
「稲作の田植え時期の苗の食害と、稲が出だしたころの食害が増加してきている」
「稲作の田植え時期の苗の食害と、稲が出だしたころの食害が増加してきている」
秋に迎える新米シーズンへの影響も懸念されます。
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