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日本の65歳以上の人口は総人口のおよそ3割、3657万人に達します。そんななか、新卒採用ならぬ「老卒採用」、シニア限定の採用を行っている企業があります。
66歳で退職 今後の金銭面での不安
10日、東京・千代田区麹町。「老卒採用」を実施するLIFULLを訪ねました。
去年、この制度で初めて採用された宮川貫治さん(68)。ミーティングの相手・町田真琳さん(30)とは38歳差。宮川さんの担当業務の一つが企業SNSのコンテンツ作成です。
「全然新しいことだし、スクロールして眺める以外の機能は全く分からなかった。本当分からないことだらけ。SNSの知識とかデジタルリテラシーは全然なくて、ごくごく平均のおじさんのリテラシー」
それでも、以前は広告代理店で働いていた経験を生かし、出された課題に対し、1週間でおよそ10個のアイデアを提案したこともあったそうです。町田さんはこう話します。
「次に会った時には絵コンテまで仕上がっているものが出てきて、イラストまで出てくると思わなくて、自分で描いたのかをまず聞きました。SNSに関しては私のほうが慣れていると思うので、負けたくないなと思う」
宮川さんは前の会社を66歳で退職。そこで気になったのが、今後の金銭面です。
「食べたいものを食べて、行きたい所に行ってというのが70、80になってもできるかという不安はありますよね。新卒採用ならぬ老卒採用、タイトルがまず面白いなと思って。自分としては『老』という字はやっぱりうれしくはない」
なぜ「老卒採用」という名前に?
65歳以上を対象とした「老卒採用」。なぜこのような名前になったのでしょうか?クリエイティブ本部長で執行役員の川嵜鋼平さん(44)はこう話します。
「老いに対する既成概念から卒業して、活躍したい方を募集する。そういった意味合いを込めて、老卒採用とネーミングした。65歳以上のシニアの方の専門性や経験というもの、組織に仲間になってもらうことが企業成長につながるんじゃないかと考えた」
65歳以上の就業者数は20年連続で増加。2023年は過去最多の914万人を記録し、多くのシニアが65歳を超えてもなお働き続けています。宮川さんはこう話します。
「仕事がなくなって暇になって、暇なのがすごい嫌。怖いというか、悲しいというか。収入源も探していたので、飛びついた」
(「グッド!モーニング」2025年9月12日放送分より)
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