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お米が安くなるかもしれません。価格の高騰が続くなか、農家の大胆な方針転換を取材しました。
コメの安定供給へ 新米の増産がカギ?
スーパーのコメ売り場に並び始めている新米。
千葉県内の店舗では、県産の「ふさおとめ」が5キロで3886円。「ふさこがね」も同じく3886円。新米が高騰する中、3000円台で売られています。
おっ母さん食品館 柏の葉キャンパス店
侭田由美店長
「広告のコメは限界で販売している」
侭田由美店長
「広告のコメは限界で販売している」
千葉県産「コシヒカリ」は4426円です。
ただ、今後はこの価格よりもさらに値上がりするといいます。
侭田店長
「来月100〜200円、仕入れ値が上がる話がある。集荷競争の過熱と西日本で千葉のコメが流れている。千葉のコメが不足している」
「来月100〜200円、仕入れ値が上がる話がある。集荷競争の過熱と西日本で千葉のコメが流れている。千葉のコメが不足している」
新米を求める、買い物客の本音は?
50代
「1袋2000円くらいのコメをずっと買っていたから、4000円だと倍だから高い。2500円くらいだったらうれしい」
「1袋2000円くらいのコメをずっと買っていたから、4000円だと倍だから高い。2500円くらいだったらうれしい」
都内の精米店では、新米が5キロでおよそ7000円にまで値上がりしています。
新米が高騰する要因は、JAが農家に前払いする概算金が、極端につり上がっていることにあります。
宮城県産の主要4銘柄でも、それぞれ3000円が追加され、1俵60キロあたり軒並み3万円を超えています。引き上げの理由について、JA全農みやぎは…。
JA全農みやぎ
「民間の集荷業者との競争が激しい中、数量を確保し安定供給するため」
「民間の集荷業者との競争が激しい中、数量を確保し安定供給するため」
千葉県のコメ農家を取材すると、今年は新米の収穫量に大きな変化が。
コシヒカリやふさおとめなどの新米をJAに出荷している、コメ農家の多田正吾さんです。
実は去年までは、この田んぼで、家畜の餌(えさ)になる飼料用米を主に作っていました。
「今までは主食用米も飼料用米も値段が同じなので、調整作業が楽なので8割方飼料米をやっていた。だけどあまりにも相場が違うので、主食用米に切り替えて、今年は幸せ」
去年は主食用米の田んぼが2割ほどだったのが、今年は田んぼのすべてを主食用米に切り替えました。
その結果、主食用米が去年の1500俵から、今年は4倍の6000俵に増産されたのです。
切り替えたワケは、主食用米の価格高騰です。
「60キロのコシヒカリは3万3000円。飼料米は60キロ1万円。業者はそれより1000円、2000円高く買うと。主食用米3万5000〜6000円で売った人もいると思います」
去年にコメの価格が上がったことで、主食用米を増産する動きは各地で広がっています。
では、新米が増産されることで、今後コメの店頭価格はどうなるのでしょうか?
流通経済研究所
折笠俊輔主席研究員
「今のような取り合いにならずに済めば、もう少し価格が落ち着く。十分供給が足りるという見込みがしっかり立てば、今年の新米も流通量で余るのが見込まれると、『安くしてでも売っていかないと』と意識が働くので、少し価格が安くなる。今よりも5キロあたり数百円安くなる可能性はある」
折笠俊輔主席研究員
「今のような取り合いにならずに済めば、もう少し価格が落ち着く。十分供給が足りるという見込みがしっかり立てば、今年の新米も流通量で余るのが見込まれると、『安くしてでも売っていかないと』と意識が働くので、少し価格が安くなる。今よりも5キロあたり数百円安くなる可能性はある」
5キロあたりの価格予想は?
「東北・北海道の収量が順調で、ある程度コメが十分足りる見込みが立ってくれば、11月以降に今平均5キロ4500円くらいまで相場が上がっているが、4000円台前半まで下がってくる可能性はある」
供給が安定することで、徐々に価格が下がるとみています。
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