経済

スーパーJチャンネル

2025年9月16日 20:24

続くコメ高騰 農家が大胆方針転換 価格下落の可能性も

続くコメ高騰 農家が大胆方針転換 価格下落の可能性も
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 お米が安くなるかもしれません。価格の高騰が続くなか、農家の大胆な方針転換を取材しました。

コメの安定供給へ 新米の増産がカギ?

 スーパーのコメ売り場に並び始めている新米。

 千葉県内の店舗では、県産の「ふさおとめ」が5キロで3886円。「ふさこがね」も同じく3886円。新米が高騰する中、3000円台で売られています。

おっ母さん食品館 柏の葉キャンパス店
侭田由美店長

「広告のコメは限界で販売している」

 千葉県産「コシヒカリ」は4426円です。

 ただ、今後はこの価格よりもさらに値上がりするといいます。

「千葉のコメが不足」
「千葉のコメが不足」
侭田店長
「来月100〜200円、仕入れ値が上がる話がある。集荷競争の過熱と西日本で千葉のコメが流れている。千葉のコメが不足している」

 新米を求める、買い物客の本音は?

50代
「1袋2000円くらいのコメをずっと買っていたから、4000円だと倍だから高い。2500円くらいだったらうれしい」

 都内の精米店では、新米が5キロでおよそ7000円にまで値上がりしています。

新米が高騰する要因は?
新米が高騰する要因は?

 新米が高騰する要因は、JAが農家に前払いする概算金が、極端につり上がっていることにあります。

 宮城県産の主要4銘柄でも、それぞれ3000円が追加され、1俵60キロあたり軒並み3万円を超えています。引き上げの理由について、JA全農みやぎは…。

JA全農みやぎ
「民間の集荷業者との競争が激しい中、数量を確保し安定供給するため」

 千葉県のコメ農家を取材すると、今年は新米の収穫量に大きな変化が。

 コシヒカリやふさおとめなどの新米をJAに出荷している、コメ農家の多田正吾さんです。

 実は去年までは、この田んぼで、家畜の餌(えさ)になる飼料用米を主に作っていました。

「あまりにも相場が違う」
「あまりにも相場が違う」
「今までは主食用米も飼料用米も値段が同じなので、調整作業が楽なので8割方飼料米をやっていた。だけどあまりにも相場が違うので、主食用米に切り替えて、今年は幸せ」

 去年は主食用米の田んぼが2割ほどだったのが、今年は田んぼのすべてを主食用米に切り替えました。

 その結果、主食用米が去年の1500俵から、今年は4倍の6000俵に増産されたのです。

 切り替えたワケは、主食用米の価格高騰です。

主食用米の価格高騰
主食用米の価格高騰
「60キロのコシヒカリは3万3000円。飼料米は60キロ1万円。業者はそれより1000円、2000円高く買うと。主食用米3万5000〜6000円で売った人もいると思います」

 去年にコメの価格が上がったことで、主食用米を増産する動きは各地で広がっています。

 では、新米が増産されることで、今後コメの店頭価格はどうなるのでしょうか?

今後コメの店頭価格は?
今後コメの店頭価格は?
流通経済研究所
折笠俊輔主席研究員

「今のような取り合いにならずに済めば、もう少し価格が落ち着く。十分供給が足りるという見込みがしっかり立てば、今年の新米も流通量で余るのが見込まれると、『安くしてでも売っていかないと』と意識が働くので、少し価格が安くなる。今よりも5キロあたり数百円安くなる可能性はある」

 5キロあたりの価格予想は?

5キロあたりの価格予想は?
5キロあたりの価格予想は?
「東北・北海道の収量が順調で、ある程度コメが十分足りる見込みが立ってくれば、11月以降に今平均5キロ4500円くらいまで相場が上がっているが、4000円台前半まで下がってくる可能性はある」

 供給が安定することで、徐々に価格が下がるとみています。

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