経済

グッド!モーニング

2025年9月18日 12:54

いつの間にか相続税の課税対象に 地価上昇と子どもが知らない株保有

いつの間にか相続税の課税対象に 地価上昇と子どもが知らない株保有
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 日経平均株価が最高値を更新するなか、不動産価格も首都圏を中心に高騰しています。知らないうちに資産が増えている人も多く、思わぬ相続税に関する相談が相次いでいます。

株主総会通知で判明 修正申告

「名義変更を当然しているのに、母の名義で株主総会の通知が来たことで判明しました」

 番組が取材したのは、去年、母親の財産を相続した山梨県在住の男性(40代)です。今年になって把握していない株があったことが判明し修正申告。追加で相続税を支払ったといいます。

「父親とも母親とも同居していましたが、ある程度把握をしているとはいっても、当然すべてを把握しているわけではありません」
相続税とは
相続税とは

 相続税とは、亡くなった人から受け継いだ財産にかかる税金。すべてにかかるわけではなく、総額から差し引くことができる非課税枠が3000万円。さらに相続人1人につき600万円が控除されます。

相続税の対象は10人に1人
相続税の対象は10人に1人

 最少でも合わせて3600万円の遺産には相続税がかからないため、自分とは関係ないと考える人も多いのですが、国税庁の最新の発表によると、相続税の対象は10人に1人と多くが“いつの間にか富裕層”になっている可能性があります。

路線価の全国平均は4年連続で上昇
路線価の全国平均は4年連続で上昇

 原因は株に加え土地の高騰です。なかでも相続税を計算する時の基準となる路線価の全国平均は4年連続で上昇しています。

ゆめプランニング FP 大竹麻佐子氏
「相続税がかかるのか、かからないのか分からないけれど、うちの場合はどうなんだろうと聞きたいといったご相談はここ2、3年が増えているところではあります」

地価上昇「相続税が数百万円」

ファイナンシャルプランナーには相談増加
ファイナンシャルプランナーには相談増加

 いつの間にか相続する資産が増えている状況に、人生設計をサポートするファイナンシャルプランナーには相談が増えています。

50代
「最初に知識も何もなかったので、やっぱりびっくりしますよね」

 この男性は、都内の一軒家に住む両親が亡くなったことで実家を相続。数百万円の相続税を支払うことを求められました。

両親と過ごした家を手放す苦渋の決断
両親と過ごした家を手放す苦渋の決断

 いろいろ考えましたが、両親と過ごした家を手放すという苦渋の決断をしました。

「当然小さいころから過ごした実家だったので、やっぱり寂しさはありましたね。リフォームして自分が住むとか、貸し出すという考えもあったけど。それにしても費用が当然発生してしまうので、処分してしまった方がいいかなという、その時は判断でしたね」
遺言書(イメージ)
遺言書(イメージ)

 相続税は亡くなってから10カ月以内に納める必要があり、残された家族にとっては大きな負担になります。財産を把握できていない場合はなおさらです。

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親保有株式「把握できず」

「一番の不安の原因」
「一番の不安の原因」
大竹氏
「最近というのはやはり核家族化といいますか、離れ住んでいて、その時にはこれからの相続の話題はなかなかしづらい。実際どれだけ相続財産があるんだろうというところから分からないというのが、一番の不安の原因だと思っています」

 実際、街でも次のような声が聞かれました。

40代
「年に1回帰れるかという感じ。積極的に話したことはないですね」
50代
「お金のこととかもあるので、子どもからはとても言いづらいです。知らない株ね、ありそうな感じはするんですけど」
親保有の株式「把握できず」
親保有の株式「把握できず」

 より把握することが困難なのが、親が保有する株式です。日経平均株価が一時4万5000円を突破し上昇が続くなか、日頃から親とコミュニケーションを取る必要があると語ります。

大竹氏
「資産を投資などで増やしている方もいますし、やっぱり守るというよりも増やす時代になってきているので。投資の結果増えている=相続税も払わなきゃいけないといった形。税が発生する可能性は高まってくると考えます」

(「グッド!モーニング」2025年9月18日放送分より)

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