2025年の美容室の倒産件数が、過去最多を上回るペースで増えていることがわかりました。
倒産が増えている背景には、美容師の人手不足があると言われています。
美容師を確保するために広がっている、美容業界の働き方改革についても見ていきます。
■聖子ちゃんカット ベッカムヘア 年代別のトレンド
年代別のヘアースタイルのトレンドです。
【1970年代】
男性は『長髪』、女性は『お姫様カット』。
【1980年代】
男性は『リーゼント』、女性は『トサカ前髪』が流行りました。
もう一つ、80年代に女性に大流行した髪型が『聖子ちゃん』カットです。
【1990年代】
男性は『ロン毛』、女性は『シャギー』。
【2000年代】
男性は『外ハネ』、女性は『エクステンション』。
この年代に大流行したのが、男性の髪型『ベッカムヘア』です。
【2010年代】
男性は『ツーブロック』、女性は『大人ショートボブ』。
最近では、男性は『マッシュショート』、女性は『ポイントカラー』が流行っているということです。
■美容室の倒産過去最多ペース 背景に美容師の〇〇化も
美容業界の現状です。
美容室の倒産が増えています。
2025年1月〜8月の美容室の倒産件数は、157件と過去最多ペースです。
美容資材の値上げや、テナント料の高騰などが主な理由ですが、人手不足による倒産も起きています。
ただ、現役美容師の数は、年々、右肩上がりで増加していて、2023年度時点で57万9768人です。
美容師の数は増えているのに、なぜ美容室の倒産が増えているのでしょうか?
低賃金や長時間労働の改善を求めるスタッフの流出が加速していて、『美容師のフリーランス化』が進んでいます。
では、美容師はどこで働いているのでしょうか。
最近増えてきているのが、『シェアサロン』です。
フリーランスの美容師が、必要な時に席を借りて営業できる、“レンタル美容室”です。
『シェアサロン』の特徴は、必要な備品や設備が整っているケースが多く、店側に利用料を支払えば、月単位や時間単位など、柔軟な契約で手軽に利用できます。
初期費用が少なく、低いリスクで、独立することが可能です。
実際に『シェアサロン』で働く、美容師歴7年、フリーランスの古藤拓さん(27歳)です。
20歳で美容専門学校を卒業して、都内の美容室に就職。
22歳の時に、夢だった独立への気持ちが強くなり、フリーランスへの転身を決意。
現在は、東京・表参道の『シェアサロン』の1席で営業しています。
「駅から徒歩数分の一等地にあるので、お客さんも通いやすい。ここで美容室を出そうとしたら、数千万円は必要だが、水道や光熱費もかからず月額料金だけで利用できるので、コスパも抜群」と話しています。
古藤さんの1カ月の収支です。
収入は売り上げが100万円以上。
支出は、表参道駅から徒歩3分の『シェアサロン』の1席利用料が、16万5000円(税込み)と、材料費で約5万円。
美容室に勤務していた時と比べて、収入は約5倍ということです。
一方で、厳しい面もあります。
「個人で集客や技術のアップデート、保険や税金を管理する大変さに気づき、また美容室に戻る人も」いるということです。
■令和の美容師 事情 SNS活用で集客 多様な働き方
美容業界の『今』と『昔』の違いです。
美容師デビューするまで、昔は3〜5年間、シャンプー・掃除などの下積みをこなしながら、技術を磨いて美容師になるケースが多かったです。
今は、2〜3年で美容師になるケースが増えています。
店のカリキュラムによる教育で、ゴールが明確になりました。
美容師の働き方です。
昔は1つのサロンに長く勤めて独立を目指しましたが、今は時短勤務やフリーランスで、生活にあった働き方を選ぶ人が増えています。
集客方法です。
昔は、美容師の腕の良さや、人づての評判・口コミで集客していました。
今は、SNSなどを活用し、自ら発信して集客しています。
今回お話を聞いた『シェアサロン』で働く古藤さんも、お客さんゼロの状態からスタートしました。
集客のため、カット前とカット後の比較写真をSNSに投稿しています。
「土日祝日もなく残業代もない時代から、働き方に多様性が持てるようになった。美容室では、美容師のなり手を増やし、離職率を下げる努力も見られるようになった」と話しています。
■大手ヘアカット専門店 退職率減を達成 秘策は…
美容師の退職率を減らしているのが、ヘアカット専門店『QBハウス』です。
『10分の身だしなみ』というコンセプトを掲げ、短時間・低価格のサービスを提供しています。
予約は必要なし・指名制度もありません。
カット料金は、1400円(税込み)です。
こちらでは、退職率が大幅に減っています。
2010年は31. 8%でしたが、2015年には12. 1%に。
2025年は6. 8%です。
なぜ、こんなに減っているのでしょうか。
2012年9月からスタートした『独自の研修制度』です。
●給料をもらいながら、無料で研修を受けられます。
●6カ月で一般サロンの2年分をトレーニングできます。
さらに店舗デビュー後にも、『フォローアップ研修』があります。
●月に1〜2回。
●研修中に経験しなかった壁や、さらに柔軟なヘアースタイルに対応できるよう、接客力・人間力・技術力を高めるための研修です。
さらに、福利厚生も充実しています。
●入社日から社会保険に加入。
●残業代を分単位で支給。
●産休/育休制度もあります。
「業界の働き方改革で、経営を圧迫する店があるなか、長期的に人材育成ができる美容室が生き残っていくのでは」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年9月19日放送分より)