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2025年9月26日 03:53

豊田会長「かけ算を起こす」街全体が“実験場”トヨタ『実証都市』未来に向け始動

豊田会長「かけ算を起こす」街全体が“実験場”トヨタ『実証都市』未来に向け始動
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街の中に自動で動く未来のモビリティ。トヨタ自動車が富士山の麓に築いた『ウーブン・シティ』で25日、新たな日常を生み出すための様々な実証実験が始まりました。

最新モビリティーは街全体が実験場

“実証実験都市”をイチから丸ごとつくる。壮大な構想が発表されてから5年以上の月日を要しました。それがとうとう。

トヨタ自動車 豊田章男会長
「皆さん一緒に、笑顔でウーブン・シティのスタートを宣言したいと思います」

富士山のすそ野で始まった、未来への一歩。すでに数世帯の住民が暮らし始めているといいます。一体どういう場所なのでしょうか。

先駆けてオープンしたのは全体の20%以下ですが、完成すれば街の大きさは東京ドーム6個分になるといいます。

一見ただの住宅地のように見えますが、少し見渡すと、次世代の技術をそこら中で目にします。例えば、車の前にあるロボットは。

トヨタ自動車担当者
トヨタ自動車担当者
「後ろのシェアカーの動かし方、加減速、曲がり方、そういったものを“指令”をして、後ろの車はその通りに動く。この自動搬送システムでお客さまにシェアカーを渡して、ウーブン・シティの外に乗って行けるサービスの実証を考えています」

つまり、シェアカーを宅配するロボット。利用後は、車を持ち帰ってくれるといいます。

信号

街ではインフラの実証実験も行うため、信号も特殊です。センサーなどで車の交通量や人流を計測し、それに応じて信号が切り替わるといいます。

道路は、歩道のすぐ隣に小型モビリティ専用、その隣が自動車専用と、それぞれモビリティによって区画が別れています。こうした独自仕様に設計できるのもウーブン・シティならでは。

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企業20社と住人も実験に参加

ウーブン

ウーブンとは「織り込まれた」を意味し、機織機から始まったトヨタの歴史に由来しています。この街は人々の暮らし、社会に先進テクノロジーと情報を織り込み、紡ぎ合わせることが最大の目的。開発した技術を、実際に人々が生活している環境で実証実験する場です。そしてその実験はモビリティのみならず、多岐に渡ります。

ダイキン工業

大手空調機器メーカー『ダイキン工業』が手掛ける部屋では、気流だけでなく、香り・気温・音などをコントロールし、住民がどれだけリラックスできるか、どれだけ集中力を高められるかを実験するものです。

日清食品

「ジャンク」と大きく書かれたハンバーガー。日清食品が開発した「最適化栄養食」というものです。

北村莉子記者
「カロリーが抑えられているということですが、普段食べているハンバーガーとあまり変わらない印象で、しっかりとした味付けがついています」

これを食した住民たちからデータを集め、健康寿命の延伸につながるかを調べる実証実験を目指しています。

豊田会長は「かけ算を起こす」

こうした他業種の実験が紡ぎ合うことで、より大きな技術革新につながる。そんな思いを強くしているのが、自身もこの街の“住民になる”予定で、町内会長を自称する豊田会長です。

トヨタ自動車 豊田章男会長
トヨタ自動車 豊田章男会長
「ウーブン・シティで起こしていくのは、かけ算です。かけ算は1社だけだと成り立ちません。1をかけても大きくならない。1じゃ駄目なんです。だけど2でいいんです。笑顔になるんです。みんなで笑顔の2をかけてまいりましょう」
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