今やニッポンの国民食「餃子」。そんな餃子にハマる外国人が増えています。ツウな食べ方をする外国人も。コショウにお酢!?さらに謎の“餃子神社”を発見しました。
外国人のツウすぎる食べ方
今、「餃子」が世界の人々をとりこにしています。
新宿御苑前駅から徒歩1分の場所にある「餃子の福包」。店内に入って驚きました。なんと、お客さんの半数以上が外国人観光客です。
「『安くてたくさん食べられる』という情報をSNSで見て選んだ」
「マルコ・トーニというイタリア人インフルエンサーのSNSを見た」
そう、この餃子店はSNSから火が付き、世界にその名が知られるようになったんです。
1年間に焼き上げる餃子は、およそ120万個。焼き餃子は、6個385円とリーズナブル。
具材は、豚ひき肉、白菜、ニラなど6種類。コクのある「太白(たいはく)ごま油」で香ばしく焼き上げています。
スイスから来たカップルは、母国でも餃子を食べたことがあると言いますが…。
「ここの餃子は最高。肉の食感もいいし、肉汁もたっぷり。スイスだと肉汁はないし、肉のうまみもない。もしかしたら日本は餃子が一番うまい国なんじゃないかな」
みんな日本の餃子は、ひと味違うといいます。
「カリカリに焼かれた皮と、柔らかい肉が絶妙なバランスだね。ビールと最高のコンビ」
こちらはフランスとポーランドのカップル。驚くべきツウな食べ方を!コショウにお酢を混ぜました。
「餃子はこの方法で食べる。以前に日本で餃子を食べた時、隣にいた日本人からこの食べ方を教わった」
もはや、日本人よりツウかもしれません。
こちらの男性は、餃子のタレをたっぷり。それをご飯の上に垂らしてから一口で。そのあとに、タレがかかったご飯を味わっていました。
どうやら、餃子のタレを垂らしたご飯がいたくお気に召した様子です。
「信じられないぐらいおいしい」
余程、気に入ったのか妻のご飯も分けてもらっていました。
「私たちは餃子が大好き」
「どうしても餃子が食べたくて、ネットで探して見つけた。ホテルから20分歩いて来たかいがあった」
このお店には「水餃子」もあります。こちらも6個入りで385円です。
イタリアから来た男性は「水餃子」が気に入った様子。
「ラビオリ」は、小麦粉で作った生地で、具材を包んだパスタ料理です。
さらに、このお店には「揚げ餃子」も。様々な食感が堪能できますよ。
外国人が苦戦?浅草の人気店
浅草にも外国人に話題の餃子店があります。浅草寺の裏手にある「Gyoza Bar けいすけ」です。
カウンター7席の店内は外国人でぎっしり。人気の秘密は餃子を包む体験ができること。
「素晴らしい」
「サンキュー。ありがとう。パーフェクト」
いや、お見事。店主のけいすけさんが教えています。
「この店に来た友達がSNSで『ここは絶対に行くべきだ』と書いていたんです。それ見て、この店に来た友だちはものすごく多い」
こちらは、スペインから来た家族。お父さん、あんがはみ出しています。
「肉餃子」は、自ら包んでも、店主におまかせしても5個660円。
具材の白菜は、細かく刻んでペースト状になるまで煮込んでいます。それを布に入れて絞ります。そのしぼり汁をさらに煮込むのです。
この煮汁に豚ひき肉や白菜、昆布ダシなどを加えて特製のあんを作っています。
「煮込むことで味が濃くなる」
表面をカリッと焼き上げれば完成です。「自家製の味噌ダレ」で食べるのがおすすめだといいます。
こちらはイタリアから来た男性。
「今まで食べた餃子で1番おいしい」
「イタリアで食べる餃子には、じゃがいもやチーズが入っているから、全然違います」
実はこのお店には変わり種の餃子があります。エビとアボカドを使った海鮮餃子です。6種類のキノコを使った珍しい餃子もあります。
こうした変わり種餃子は、固定観念がない外国人のほうが楽しんでくれるそうです。
「このキノコ餃子は素晴らしいですね」
自由すぎる!世界のギョーザ
今や世界各国で食べられている餃子。世界的な食品メーカー「味の素」は、30の国と地域で冷凍餃子を販売。およそ50年間で230億個を売り上げてきました。
こちらはフランス。人気なのは「キノコとエダマメの餃子」。フランスならではの「カモ肉の餃子」や「リンゴが入った餃子」も。15種類の餃子が販売されています。
セルマ バンタベットさん
「フランスは多民族国家なので、幅広い種類を販売しないと、消費者が受け入れてくれない」
食べ方もさまざま。イギリスでは、チャーハンカレーに餃子をトッピングする人も。
アメリカでは、ココナッツミルクや唐辛子ペーストなどを使って餃子をオーブン料理にする人がいました。
外国人熱狂“餃子の街”に異変
栃木県宇都宮市。連日、行列ができる“餃子の街”にも外国人が増えているといいます。
去年、栃木県は外国人宿泊数が過去最多に。餃子人気も呼び水となっています。
こちらは、商業ビルに入っている「来らっせ」。人気店の餃子が一度に楽しめる名物スポットです。
5つの常設店の味と30種類の日替り餃子が楽しめます。
水餃子に揚げた餃子の皮とネギをのせた「よだれ餃子」。特製の甘辛ダレをかけた名物餃子です。
「黒スープ餃子」は、黒酢の酸味とラー油のピリ辛がクセになります。厚皮であんを包んだひすい色の水餃子もあります。
こちらは、オーストラリアから来た男性。
「宇都宮めんめん」の羽根付き餃子は6個420円。
餃子のあんには、紹興酒や鶏ガラスープをプラス。焼く時に、うまみたっぷりの肉汁が溢れ出るため、餃子の羽根までおいしいひと品です。
50軒以上の餃子店を食べ歩いてきたという男性。
「ウン。オイシイ。羽根の食感が最高。オーストラリア人じゃ、こんなに器用にできない。もしかして、この羽根は失敗から生まれた?結果的には最高の味が生まれたんだね」
夫婦もオーストラリアから来たと言います。
「僕の体の中には、餃子用の胃がある」
注文したのは、餃子の皮の中にニラを練り込んだ「特製ニラ餃子」370円。
餃子用の胃を持つという、食いしん坊の男性。
フライパン?謎の神社を発見
“餃子の街”宇都宮には外国人も訪れるユニークな神社があります。それは「宇都宮二荒山神社」です。
境内で外国人観光客を発見。えっ?フライパン?こちらはその名も「しあわせ餃子おみくじ」。中には、餃子のお守りも入っています。
「小吉は小さな幸運ですね」
デンマークから来た男性が気になるのは「恋愛の運勢」。
「一方的にのぼせすぎていないか」
「心当たりがあるね。おみくじの文字は読めないけど、持っているだけでうれしい。お土産としてデンマークに持って帰ってみんなに早くこのことを話したいよ」
“餃子の街”ならではの餃子のおみくじ。唯一無二の日本のお土産になりそうです。
「とてもいい。クールだね」
外国人9割 人気のヒミツは?
世界が一目置く日本の餃子。今やこんなお店も登場しています。
鶯谷駅から徒歩5分の住宅街。このお店こそ、お客さんの実に9割が外国人だという「ヴィーガン餃子」。
「サンキュー。オー、ワオ。とっても素敵。おいしそう」
お店の名物、彩り豊かな蒸し餃子。11個入りで2500円。黒い皮に包まれていたのは「ねぎ味噌」。オレンジの皮には「ナス味噌」が。紫の皮は「生姜味噌」です。すべて中身が違う蒸し餃子。実に手が込んでいます。
こちらはイタリアから来た女性。
実は、これらの餃子には肉が一切使われていません。お肉を口に出来ない外国人にも楽しんでもらいたいと工夫されているんです。
「イタリアでも餃子を何度も食べたけど、こんなカラフルな餃子はなかったです」
「(Q.イタリアにあったらうれしい?)もちろん」
「(Q.流行るかな?)もちろん。私が『おいしいから食べてみなよ』と勧める」