アサヒグループホールディングスでは、サイバー攻撃によってシステム障害が発生しています。出荷の停止が続いているほか、新商品の販売を延期するなど影響が続いています。
影響続く…12商品の販売延期
一杯目の生ビールは、飲み会には欠かせません。
「軽くておいしいです」
公務員(30代)
「待ってましたって感じです」
そんなビールファンにとって不安なニュースが届いたのは、先月29日のことでした。
「サイバー攻撃の影響を受けシステム障害が発生しました」
アサヒはサイバー攻撃を受けたとしてビールなど酒類や飲料、食品などの国内での受注・出荷・生産を停止させました。
影響はまだ続いていて、1日は今月発売予定だった炭酸飲料やコーヒーなど合わせて12商品の販売を延期すると発表しました。
サイバー攻撃の詳細も分かってきました。
「“ランサムウェア”の被害に遭った」
ランサムウェアとは、感染すると保存されているデータを暗号化して使用できない状態にし、その復元のために身代金などを要求するサイバー攻撃の一種です。
思い出されるのは、出版大手・KADOKAWAのケースです。
去年6月、ランサムウェアによる大規模なサイバー攻撃を受け、およそ25万人分の個人情報が流出し、24億円の損失が出ました。
「ビール在庫ない」店主心配
今回の件を、客からの情報提供で知ったというオーナー。ただ当初はこう思っていたといいます。
「酒屋にある分で賄えるだろうという感じの月曜日でした。ことの重大さがまだ把握できていないような」
しかし、状況について業者に問い合わせるとこんな返答がありました。
多い日には、およそ500杯のアサヒビールが売れるという、こちらの店。現在はまだ数日分の在庫があるといいますが、在庫が切れた際の看板商品の入れ替えも検討し始めていました。
影響はアサヒだけにとどまりません。
飲食店向けの樽生ビールや瓶ビールの配送では、各ビール会社の倉庫に商品を集め、一括して配送する「共同配送」と呼ばれる仕組みがあります。
そのため、アサヒの倉庫から共同配送されるキリンやサッポロのビールにも遅れが出ているということですが、キリンは「大きな影響はない」としていて、サッポロは「既存の客への提供を最優先する」とコメントしています。
アサヒグループホールディングスは緊急措置として、1日は手作業で受注に対応しましたが、1日までに復旧のめどは立っていないということです。
(「グッド!モーニング」2025年10月2日放送分より)