経済

ABEMA NEWS

2025年10月10日 14:31

驚異の性能「Sora 2」、リアルすぎてフェイクと区別困難?AIとどう向き合う?「政治や企業の経済、株価にも影響」AI起業家が解説

驚異の性能「Sora 2」、リアルすぎてフェイクと区別困難?AIとどう向き合う?「政治や企業の経済、株価にも影響」AI起業家が解説
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 「映像の常識を覆す」と言われるほどの動画生成AI「Sora 2」が登場。その圧巻の性能に期待が高まる一方で、フェイク動画の拡散や著作権侵害の問題も懸念されている。

【映像】風の音、人の声…“リアルすぎる”生成動画(実際の映像)

 9月30日、アメリカのOpenAIは最新の動画生成AI「Sora 2」を発表。OpenAIのサム・アルトマンCEOは、すべて「Sora 2」によって生成された“自身”の動画を公開した。

 「映像の常識を覆す」と言われる性能について、AI起業家のチャエン氏は以下のように語る。

「1つ目は、シンプルに動画の質が上がり、よりリアルに近づいたことだ。具体的には、物理法則をきちんと理解している感じだ。例えば物が落ちたら割れるとか、動いたら水がこうなるとかが理解できるようになった」「2つ目は、音声付きで生成できることだ。これが画期的なところで、唇の動きもできるしBGMや効果音も出せる」(AI起業家・チャエン氏、以下同)

 さらに、チャエン氏が最も衝撃だったという機能が「カメオ機能」だ。

「顔を動かして数字を3個読み上げるだけで声と顔を覚えて、自分の顔を使って動画を作る」「広告や仕事でも使えるクオリティに近づいてきたと思う」

実際に政界、アニメ界にも“フェイク”が…

著作権侵害・“フェイク”拡散

 飛躍的に進化した生成AIの登場に期待が集まる一方で懸念されているのが、著作権の侵害やフェイク画像などの拡散である。

 辻元清美議員はXに「総裁席に座る高市さんと私(?)のツーショット合成写真が出回っているようで、新聞社からも問い合わせが来てしまいました!もちろんフェイク。拡大すると全然似ていないのですが…もしAIがもっと進化したら?と思うとぞっとしました」と、高市氏との“フェイク画像”を添えて投稿した。

 SNS上には、フェイク画像以外にもAIで生成されたとみられる人気アニメのキャラクターの動画などが数多く出回っている。これに対し平将明デジタル大臣は以下のように指摘する。

「(Sora 2について)政府としても私自身も問題意識を持っている。いろいろな日本のキャラクターが簡単に生成できてしまうことがネット上でも指摘されているため、きちんと日本のレギュレーションにOpenAI社で調整をしてもらい、ルールに合うようにしていただかなければいけない。ビッグテックの自主的な対応を強く求めたいと思っている」(平将明デジタル大臣)

 もはや“リアル”と“フェイク”の境界は、私たちの目には区別がつかなくなりつつある。便利さと創造性を広げる一方で、その裏に潜む不安や懸念は簡単に拭い去ることはできない。この急速に進化するAIとどう向き合い、どう利用していくのか。いま改めて問われている。

AIとの“向き合い方”を起業家が解説!

チャエン氏

 区別がつかないほどリアルなAI生成動画。その“向き合い方”について、チャエン氏は以下のように述べる。

「テレビ局や正式な団体、機関が発信している出典元を見るべきだ。SNSの情報だけを信じると変な方向に行ってしまうため、判断力はつけていかなければならない」(チャエン氏、以下同)

 また生成された動画内に表示される「Sora」のロゴを非表示できてしまう仕様については「大きな問題」だと主張する。

「国家を超えて一企業が力を持ちすぎた。作った動画で政治や企業の経済、株価にも影響する。規制やルールができる前に、先にすごいテクノロジーができてしまったため、いま大変な状況になっている」

 普段からAIを使っているチャエン氏が気をつけていることとは…。

「信じすぎない。僕はAIの言葉は信じないし、AIで出てきた作品をそのまま使うことはなるべくしないようにしている。また出典元はどこか(確認する)、公開する際は自分が責任持つことは絶対に意識しなければならない。自分できちんと判断していかなければならないため、判断力と責任力が一番大切だ」

(『ABEMAヒルズ』より)

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