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今年のコメの収穫量が9年ぶりの高水準になったと発表されました。現場ではコメの取引を巡って、ある「逆転現象」が起きているということです。
コメ収穫量 9年ぶり高水準
小泉進次郎農水大臣
「消費者の皆様にはこの約10年で最大の増産ですから、コメが足りなくなる状況にはないことをご理解いただき、必要な時に必要なだけコメを安心して買い求めていただきたい」
「消費者の皆様にはこの約10年で最大の増産ですから、コメが足りなくなる状況にはないことをご理解いただき、必要な時に必要なだけコメを安心して買い求めていただきたい」
10日午後に小泉農水大臣が発表したのは新米の収穫量。今年、主食用のコメの予想収穫量は747万トン。去年より68万トン増加して、2016年以来9年ぶりに740万トンを超えました。
「需要を上回る十分な供給が確保され、不足感を払拭したといえる新たな段階に入ったととらえている」
異例の猛暑による懸念はあったものの、多くの地域で天候に恵まれたことや、作付け面積が広がったことが収穫量の増加につながったとしています。
そうなると、期待してしまうのが今後の価格です。最新のコメの平均価格は5キロ4205円。新米が出回り始めてから、高止まりがまだまだ続いていますが…。
ギフライス 恩田喜弘社長
「今よりは5キロで500円ぐらい下がる可能性もある」
「今よりは5キロで500円ぐらい下がる可能性もある」
「新米が安くなる」と予測するのは創業70年のコメ卸売業者ギフライスの社長。その理由と、値下がりする時期を教えてもらいました。
「新米スタート時点は渇水や高温で今年もコメがとれないのではとあって、市場もスタート段階で過熱した。いろんな産地のコメを収穫してみたら、それなりに量が多くとれているような雰囲気と、国のほうから増産になるとの公表もあったので、一気に環境が変わって『コメはあるぞ』と」
やはり、値下がりする一番の要因はコメがたくさんあることです。ギフライスによると、生産地にコメが余っている状況だといいます。
それゆえ、ある生産者からはこんな言葉も…。
恩田社長
「生産者から新米スタート時点は『1俵37500円で買ってくれないか』という案内もあったが『そんなに高いコメは売れないよ』と話をして。最近になって逆に『いくらなら買ってくれる?』と。逆転現象ですよね。強気で販売しようとしていたが逆に売れなくなって」
「一部の農家は倉庫にも入らない人がいるので、売れる値段で売るというかたちでだんだん値を下げて売ると思う」
「生産者から新米スタート時点は『1俵37500円で買ってくれないか』という案内もあったが『そんなに高いコメは売れないよ』と話をして。最近になって逆に『いくらなら買ってくれる?』と。逆転現象ですよね。強気で販売しようとしていたが逆に売れなくなって」
「一部の農家は倉庫にも入らない人がいるので、売れる値段で売るというかたちでだんだん値を下げて売ると思う」
恩田社長によると、生産者にとって値下げのギリギリラインがJAの定める概算金。それぐらいにまで取引価格が下がれば、小売価格は今よりも5キロあたり500円程度値下がりするということです。
では、新米が手に取りやすくなるのはいつごろになるのでしょうか?
「年明け以降ぐらいにある程度集荷が終わって、全農(JA)の買い入れも終わって、販売不振のなかどういうふうにコメをさばくかって話になってくる。今のままでいけば、年明けから多少じわじわ下がってくる」
2025年産のコメの購入は来年以降がチャンスだということです。
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