コメの価格が高止まりするなか、主食をパンやパスタに切り替える家庭が増えています。なかでも安くておいしいと人気を集めているのが、トルコ産のパスタです。家計の味方として、食卓の定番になりつつあります。
イタリア産抜きトップの座に
備蓄米効果が薄れるなか、直近のスーパーのコメの平均価格は5キロで4205円。5週連続で4000円台と高止まりが続いています。
都内にあるスーパーでは、長らく国産とイタリア産のパスタを中心に取りそろえていましたが、今年5月からトルコ産パスタの販売を始めています。
「より安価で安定して商品が提供できるもので、おコメとかの影響がありますので、なるべく安価でやるものを探して取り扱うようになった」
長年、日本のスパゲティ輸入量の半分以上をイタリア産が占めていましたが、去年初めて1位の座に着いたのがトルコ産です。
この店では1キロ税込み213円(5キロ換算税込み1065円)でトルコ産パスタの特売を行ったところ、飛ぶように売れました。
なぜトルコ産パスタは安い価格で販売できるのでしょうか?都内のトルコ料理店を取材しました。
アキュルドズ・シベルさん(44)
「トルコは世界有数のパスタ王国なので、小麦粉がたくさん取れている。田舎の地方に行けば、みんな小麦粉(農家)をやっている。うちもおじいちゃんとかおばあちゃんが小麦粉を育てていた。あとは(トルコ通貨の)リラに比べてドルの方が高いので、リラは今安いということで輸出が多くされている」
トルコはパスタの原料となるデュラム小麦の一大生産地で、政府も支援策として輸出企業への減税などを行っています。こうした国を挙げた取り組みが、トルコ産パスタの輸出拡大を後押ししているのです。
経済不安にあえぐトルコ通貨のリラが安いことや、人件費がイタリアなどのヨーロッパ諸国と比べて安いことも、トルコ産パスタが安い要因となっています。
「おコメの代わり」5kg1220円
気になる味はどうなのでしょうか?トルコ産パスタを10年以上購入している山崎宏一さん(57)に聞きました。
山崎さんは5キロおよそ1220円のトルコ産パスタを常にストック。週に2〜3回食べて、半年ほどもつといいます。5キロで4000円以上するコメと比べると、家計への影響の差は段違いです。
この日のメニューはトルコ産パスタと相性の良い、豚肉や小松菜をニンニクと炒めたパスタ。クセが少ないのも、トルコ産パスタの魅力だといいます。
物価高が続くなか、トルコ産パスタの需要は今後も伸びていきそうです。
(「グッド!モーニング」2025年10月14日放送分より)