物価高騰の波は、私たちの足元にも及んでいます。毎日履く靴が値上がりするなか、手ごろな価格を維持するメーカーに、安さの秘訣を聞きました。
大量生産&配送工夫で安く
「1万2000円くらい」
「僕も1万くらい」
30代
「2万5000円くらいだと思う。(高くて)頻繁には買えないです」
私たちの生活に欠かせない靴。価格高騰に苦しんでいるのは、現役世代だけではありません。
「そんな1万円も出せない。無駄だなって思っちゃう。歩いて(靴の)形も変わってきちゃう、そこにそんな値段を出すのはもったいない」
かつては数千円で手に入ったスニーカーも、石油など原材料が高騰し、価格が上昇しています。
「本当にボロボロで穴とか開いたら買い替えます。(以前履いていたものは)ひどいことになりました」
街中では、使い古されて色が落ちてしまった靴や、つま先の部分がはがれた靴を履く人も…。そんななか、低価格を維持し続ける店があります。
「靴で1万円を超えると高いなってイメージ。(東京靴流通センターは)手ごろな価格」
店先には「生活応援価格」と書かれたポップとともに、1990円(税抜き)の商品が並びます。
「スニーカーだと1990円から6900円くらいまで。ビジネスシューズですと4900円くらいから1万円前後くらい」
なぜ、安さを維持できるのでしょうか?
配送にも秘密がありました。通常は海外工場で生産されたものを日本にまとめて輸送、国内の倉庫で各店舗への仕分けをして配送します。
しかしチヨダでは、海外工場の時点で日本の店舗への仕分けを済ませたうえで輸送し、店に配送。国内倉庫を経由しないことでコストを削減し、価格低下につなげているといいます。
「立ったまま履ける」で売上高↑
安さだけでなく“客が求める靴”の開発にも余念がありません。
「脱いだり履いたりするのが結構、頻繁にあるから、こちらの方が履きやすい。年寄りは特に」
年を重ねて足腰が弱くなると、しゃがむ姿勢が取りにくくなります。そうした影響か、高齢者のなかには、靴をしっかり履かない状態で歩く人も。そこで“しゃがんで手を使うことなく履ける靴”として開発されたのが、手を使わずに立ったまま簡単に履ける靴です。
「かかとのここに、靴ベラ形状のものが入っていて、そのまま足を入れると、そのまま入るというような作り」
2022年から販売を始めた「スパットシューズ」。年々、売り上げを伸ばし、去年は1年間で160万足を販売しました。高齢者はもちろん、災害時に簡単に履いて逃げられることから、幅広い層に好評だといいます。
「体重をかけるだけで履けた」
50代
「(他の靴は)脱ぐ時はいいんですけど、履く時にはひもをほどいて締め直すことが多い。(スパットシューズは)そのままスッと履けた」
他のメーカーも、手を使うことなく履ける商品の開発に力を入れていて、スニーカーだけでなく、サンダルやブーツにも広がっています。
「靴を脱ぎ履きするという行動に対しての機能というのは、今までなかった。ハンズフリーの機能というのはいろんな靴に付けられると思っていますので、アイテムを拡大させて販売を増やしていきたい」
(「グッド!モーニング」2025年10月14日放送分より)