今外国人を魅了しているニッポンのフリーマーケット。今回は107人を徹底調査。外国人たちは、ナニに魅力を感じ、ナニを買うのか?ちょっと意外なお買い物のその後も追跡。人気商品ランキングも発表します!
ひな人形に「プリンセスと王子様」
「ここは、すごくステキなものでいっぱい。お宝が掘り出せる」
東京・品川区の大井競馬場でほぼ毎週末開催されている“日本最大級”のフリーマーケット。秋になり来場者も増え、多い日には1万2000人に。いまやその4割が外国人です。
オーストラリアから来たスティーブンさん(60)が「本当に!?安すぎ」と、1000円で買えたと大喜びなのが、長さおよそ3メートルの大きなこいのぼり。ところが、スティーブンさん…。
ここで、突然ですがクイズ。こいのぼりを知らずに買ったスティーブンさん、購入の決め手は何でしょう?ヒントは、この箱にあります。
外国人に人気の日本のシンボルと言えば、正解は…。
理由は、大好きな富士山の絵が気に入ったから。せっかくなので使い方を伝えると…。
なんと、知らずに5個も買っていたとか。オーストラリアでは、屋根より低いですが美しいとスティーブンさんは大満足です。
今、外国人が殺到するニッポンのフリーマーケット。
「見付けた瞬間に恋をした」
スペインからの夫婦が「思わず恋に落ちた」と絶賛なのが、木でできたひな人形。
「とても美しい」
「彼女は、王子様とお姫様の物語が好きなんだ」
ニッポンのプリンセスと王子様に見えたそう。
「こんな感じで飾るんです。女の子の成長を祝うモノ」
「サンキュー。ありがとうございます」
1400円で買えたと大満足。
「『誰かにとっては不要なガラクタでも別の誰かの宝物』ってことわざがある。まさに私の新しい宝物」
カブトムシのぬいぐるみ「絶対に買わなきゃ」
外国人にとって、フリーマーケットはまさに「お宝探し」の場。こちらの2人も宝物を買いました。
「800円で何を買ったか知りたい?」
「これはとてつもなく掘り出しものだよ」
それは、なんとも意外なモノ。
「とても美しいスケッチで、しかもたったの800円」
「美術の授業の課題に学生が描いたものみたい」
昭和の初期に学生が描いたと思われるデッサン画ですが、2人は大喜び。
「完璧が美しいとは限らない。日本の言葉であるよね。なんだっけ。いつも言っているじゃん」
「ワビサビかな」
「侘び寂びです」
出店数はおよそ600ブース。品ぞろえは実に様々。カナダから来たホゼさん(23)が抱えている、大きな黒い物体は?
ホゼさんはカブトムシのぬいぐるみ1800円に、興奮気味。
聞けば、カナダではカブトムシのツノは短く、大きなツノのカブトムシに一目ぼれしたといいます。
冗談かと思いきや、本当にカナダの街を連れ歩いていました。
買った日本人形、意外な置き場所
この巨大フリマ、訪れる外国人は観光客ばかりではなく多くのリピーターも。
「月に3回、主に日用雑貨を買っています。普通のお店より安い」
日本で暮らす外国人にとっても、激安の穴場スポットになっているそう。
「時計いっぱい。1個で200円。メイド・インジャパン。何年使っても変わらない。キレイ。フィリピンの時計は金でも1〜2週間で白くなっちゃう」
フィリピン出身のリチェルさん(25)。来日2カ月ながら早くもリピーター。この日のお目当てがありました。
なんと、これらの古着が500円で詰め放題!
フリマは、夢を追う日本での新生活の強い味方です。
外国人を魅了する日本の工芸品、お土産としても観光客に人気です。トルコから来た2人組が大喜びなのが…。
「これが1番のお気に入り」
「髪型も着物も美しい。伝統的なところも」
日本人形を1000円で購入。後日、2人とともに海を越えた日本人形は?
こちらは、セナさんの寝室のよう。なんとは人形ベッドサイドに。正直、起きた時にちょっとドキッとするかも!
フランスからきたアントニオさん(60)が購入したのは、日本人にはおなじみ、有名駅弁「峠の釜めし」の益子焼の器1000円。
群馬の横川駅で67年親しまれる「おぎのや」の駅弁。アントニオさんは知るよしもなく、見た目の美しさにひかれたそうで…。
駅弁の釜めしの器であることを説明すると…。
その使い道にいたく感心したアントニオさん。果たして、どう使うのか。後日、動画を送ってくれました。
そこには、大きなチキンを丸ごと使う調理の様子が。峠の釜めしの器には、じゃがいもやにんじんなどの野菜。そして、その上に主役のチキン。
あの“釜”がフランスの鉄道でも見られるかもしれません。
世界的ブーム?“昭和レトロ”人気者
ここからは、外国人客107人調査。人気商品トップ3。まずは、第3位。
「キモノ イズ ベリー ビューティフル」
日本の伝統「着物」がランクイン。安いと数百円からとリーズナブルですが、日本人でも着ることが少なくなった着物、どう使うのか?
「リラックスしたいときに着るんです」
「ダボっとオーバーサイズなのが良い」
「キツく感じないしね」
フランス人カップルも普段着として使うと12着をお買い上げ。
「ハローアゲイン。きょうは渋谷に来ています。さっそくフリマで買った着物を着てみました」
なんともスタイリッシュな「Kimonoスタイル」。すてきです!
続いて第2位は?
「ウルトラマン。ラブ イット」
「キユーピーが好きなんだ。メキシコだとキユーピーは日本のシンボルの一つ」
ニッポンのキャラクターグッズです。なかでも、あの懐かしのキャラクターが、今世界的ブームになっているってご存じですか?それが…。
「モンチッチ。ソー キュート」
アメリカ人女性はレトロなモンチッチを見つけてご満悦。
「アメリカでも大人気。だって可愛いじゃん。もう一つ持っているよ」
半世紀前に日本で生まれ、昭和に流行したモンチッチが実は今、近年の「カバン飾り」のブームが後押しし、今や世界的な人気者に。世界30カ国以上に輸出され、売り上げもこの一年で倍増の45億円超えとまさに爆上げ中!
「つり革欲しい」謎の“お宝探し”
そして1位の発表…とその前に、この日出会ったのはロシアから来たポリーナさん(28)。ちょっと変わったアーティストだといいます。
作品作りに使う素材を探しに来たといいますが…。
海外では、ポールやバーにつかまるケースが多く「吊り革」は日本らしいモノなんだとか。とはいえ、品ぞろえ豊富なフリマでも、吊り革は見つからず。そこで、別の材料を探すことに。
結果、丸いキーホルダーや小さなドア。そして、ミニカーなど10点ほど購入。どんなものを作るのか是非見たいとお願いし、後日に動画を送ってもらいました。が…。
なぜか送られてきたのは踊る女性の動画。これは一体?
着物に喜んだお母さんが思わず踊り始めたとか…。
しかし、作品作りの動画もしっかりありました。フリマで200円で買ったキーホルダーをいきなりノコギリで真っぷたつに切り、中身を取り出したかと思えば筒状の金属部品にはめ込みます。完成したのが指輪のよう。
実は、キーホルダーの中身は万華鏡。
世界で一つの万華鏡指輪ができ上がりました。
「焼鳥」「極旨」居酒屋の看板をインテリア
そして、外国人107人中21人が購入。人気商品ランキング第1位は?
クイズです!購入した人のコメントで予想して下さい。
「手彫りでできていて、一体一体の表情やフォルムがステキ」
「柄がとてもチャーミング」
お分かりでしょうか。正解は?
「コケシ。細かい柄や形が素晴らしいと思います」
5人に1人が購入したこけし。なぜ、そこまで魅了されるのか?
「シンプルさとか、いわゆるミニマムな美しさ。とても素朴で無駄がない。ヨーロッパにはない、静かで落ち着いた美しさのが好きなんです」
「(Q.きょうはこけし何個買った?)3つだけ」
「家にたくさんあるのよ。持って帰ると家族に『またなの!?』って言われる。多分20体ある」
日本で暮らすイザベルさんは、まさにこけしリピーター。でも今回は、さらなるお宝を発見したそう。それが…。
1500円を値切って1000円で買ったという焼き鳥屋の看板。
イザベルさんの自宅の映像を送ってもらいました。大好きなこけしコレクションに加え…。
どうやら、追加で「極旨」バージョンの看板もお買い上げ。