経済

ABEMA NEWS

2025年10月17日 07:31

「控えめに言ってもかなり異常」金価格“急騰”で貴金属店に殺到 賢い保有方法を専門家が解説

「控えめに言ってもかなり異常」金価格“急騰”で貴金属店に殺到 賢い保有方法を専門家が解説
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 今、金の価格がかつてない高値で推移し、世界各地で多くの人が金を買い求める動きが広がっている。

【映像】金を求めて大勢の人が殺到する様子(実際の映像)

 ニューヨーク商品取引所の金の先物価格は10月7日、史上初めて1トロイオンス(約31g)あたり4000ドルを突破した。その後も相次いで史上最高値を更新。この1年で約50%上昇したことになる。

 この流れを受け、個人も“金を買う”動きが世界中で起きている。ベトナムの首都・ハノイの貴金属店は、金を求める人たちで溢れている。タイでも金を買う人で店は大混雑だ。

「たった1カ月で金の価格が1万バーツ(約4万6000円)も上がりました。今までこんなことは一度もなかったです」「銀行にお金を預けてもほとんど利息は付きません。でも、金なら翌日には利益が出るかもしれません。ほかのどんな投資よりも良い選択肢だと思っています」(現地の人たちの声)

 インドネシア・ジャカルタ。こちらの貴金属店でも「多くのインドネシア人が“投資のために買う”という考え方になっています。売りに来る人はほとんどいません」。

 なぜ今、急激に金価格が上がっているのだろうか。また金を買った場合はどのように保有すべきだろうか。専門家に聞いた。

「急すぎて怖い…」金価格上昇の背景とは?

国内の金価格

 金の価格は今年1年で約50%、10月に入ってからも約10%上がっている。エコノミストの崔真淑氏は、その要因を以下のように語る。

「世界の中央銀行も個人投資家も、アメリカのドルを売って金を買う動きが続いていることだ。さらに機関投資家も、今まで金は2〜3%持っておけば良いとされていたが、これだけ上がっているため『持たないと損だ』となり、急激に買いが集まっている」(崔真淑氏、以下同)

「背景としては、トランプ政権の動向が見えないところにある。財政出動も減税もするということで、ドルの信用や財政に対する不安の声もあり、ドルの“目減り”が懸念されている」

 この動きは、いつまで続くのだろうか。

「これまでは中国や東側諸国がメインで買っていたのが、今年の9月以降は日本やヨーロッパ、アメリカというあまり金を買っていなかったところが急激に買っている。いよいよ最後の主体となるところが買い始めてきているため、本当に続くのか気になっている」

 崔氏は、値上がりについては「控えめに言ってもかなり異常」だとしつつも「長い目で見て金を一部持っておくのはすごく大事」だとしている。金には6000年にわたって基軸通貨のような働きをしてきた歴史の重みがあるからだ。

 では金は、どのような形で保有すべきだろうか。

「ETF(=上場投資信託)で買うとか、グッドデリバリーの資格を持っている貴金属店で積み立てをするのも良い。ただし金のETFだと言っても裏付け資産がなかったり、いざとなったら現物と交換しなかったりするETFもあるため、きちんと選んでほしい。また急激に上がったものは急激に下がることもあるため、全財産を金に、とは絶対にしないでほしい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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