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関東で特産品作りを目指した「陸上養殖」への参入が相次いでいます。シロアシエビのブランド化に挑戦する、金属加工会社を取材しました。
名産・干し芋をエサにブランド化
ぷりぷりの大きなエビ。茨城県ひたちなか市で養殖されているシロアシエビ、通称「バナメイエビ」です。
病気に強く成長が早いと言われる生産性の高さに目を付け、「はるか海老」という名前でブランド化を目指し、先月から出荷が始まりました。特徴はその餌(えさ)です。
エムテック 松木徹社長
「(エビの餌の)干し芋の芋の品種が『紅はるか』。その『はるか』をとって『はるか海老』。甘みが強くておいしい」
「(エビの餌の)干し芋の芋の品種が『紅はるか』。その『はるか』をとって『はるか海老』。甘みが強くておいしい」
茨城県が全国シェア9割を占める干し芋。その製造過程で出る皮を餌の一部に利用し、甘みが強いエビが生まれました。
茨城県の施設の計測では、甘みに関係するアミノ酸含有量が市販品のおよそ2倍だったということです。
「茨城県は干し芋生産が日本一ですけど、捨てるもの皮とかむいたものが生ごみとして大変な処理(費用)がかかる。それを再利用できないかなというところから(エビの餌として)使ってみた」
「はるか海老」を養殖する松木さんは、70年以上続く金属加工会社を営んできました。
「少子高齢化とか人口減少、これからのことに懸念を持っていて、製造業だけでは厳しくなる。製造業以外でもう1つ柱を立てたい」
今、関東では特産品作りなどを目指した陸上養殖への参入が相次いでいて、水産庁によると、1都6県の陸上養殖業の届け出件数は今年1月時点で49件と、前年から15件増えています。
金属加工会社ならではの強みも生かせました。
「冬場はあんまり餌を食べなくなっちゃう。やっぱり水温が上がらないと、水の管理が一番大事。水の管理は(金属加工の)品質管理と似ている」
エビを養殖するにあたって重要な水温を保つための濾過(ろか)装置などは、本業の金属加工会社で製造。初期投資のコストを低く抑えることができました。
県内の日本料理店では「はるか海老」を使ったコース料理が提供されるなど、地域の特産品としての広がりにも手応えを感じています。
「(エビ養殖の同業者の)皆さん言ってくださるのが、ライバルじゃない。一緒にやっていく仲間。全国で普及していこう。製造業の仲間に空いているスペースでエビをやろうと勧めているんです」
(「グッド!モーニング」2025年10月20日放送分より)
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